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坊さんアンケート放出第2弾
大好評のお坊さんアンケート、「お坊さんしか知らない世界」。早くも第2弾を放出いたします!
今回は、お坊さんは「死」や「霊」をどうとらえているか。
さらに「お坊さんは泣くのか」などのアンケートを紹介していきます!
まずは、いくつかのアンケートをグラフでお見せします。
お坊さんは「死」をどうとらえているのか
「こわい」「こわくない」がほぼ同じくらいとなりました。
「こわい」寄りの意見としては、
「死を目前に迎えた夢を見たとき、念仏すら出てこず、ただただ怖かったので」
(40代・浄土真宗)
「子どもが独立するまでは死ねないと思っているから」
(50代・真言宗)
「死そのものもそうだが、それに付随して起こる遺族への影響が怖い」
(40代・浄土宗)
「失敗しても取り返しのつくことが多いが、死は取り返しがつかないから」
(50代・真言宗)
「まだ1度も死んだことがないので、何がどうなるか、よくわからないから」
(30代・真言宗)
「死んだ事がないので。ただ、死んだ人に会えるのなら、少し楽しみ」
(40代・浄土宗)
という意見が集まりました。
「家族への影響」を考える方や、「体験したことがないので不安」だという方が多い中、
「純粋に『おそれ』として受け止めることも、死を受容するために大切なことだと思うから」
(40代・浄土真宗)
という意見もありました。
「こわくない」寄りの意見も紹介いたします。
「幾億人の先輩たちが経験されているから」
(30代・天台宗)
「阿弥陀様と共に、極楽浄土へ往生できると信じているから」
(20代・真言宗)
「仏様に護られているので怖くないです」
(40代・浄土宗)
「100%平等に訪れるから」
(30代・浄土宗)
「お浄土に生まれさせていただく喜びがあるから」
(50代・浄土真宗)
「死んだ後どうなるのか、の興味が強いので楽しみ」
(40代・浄土宗)
などの意見が集まりました。
「死」は必ず訪れるものだから、という受容や、浄土へ往生できるという信仰心が中心のなか、
「麻痺してるかもしれないです」
(40代・浄土真宗)
という意見が目を引きました。
どちらでもない、という方もひとり紹介しておきます。
「死んだ後どうなるかじゃなくて、生きている今どうするかについて考えているから」
(50代・曹洞宗)
禅宗らしい、硬派な回答でした。
お坊さんは幽霊を見たことがあるのか
14.6%の方が「ある」と断言しています。
「巨大な鬼がお堂を揺さぶっていた」
(40代・日蓮宗)
「葬式の前に、黒い影を見ました。祖母の墓(訳ありで家族に放置され、捨てられているも同然の場所)から、うめき声が聞こえた」
(30代・浄土宗)
「就寝時、足元から何かが這い上がってきて、ぶつぶつとささやかれる体験があった」
(40代・浄土宗)
「就寝中、UFOに連れ去られたが、5分後、自宅の庭で解放された。夢ではない」
(50代・浄土真宗)
「潰れた洋館のお祓いでお会いしました」
(30代・曹洞宗)
などなど、具体的な話がたくさん出てきました。にわかに信じがたい話もありますが、すべて貴重な体験談です。
「無回答」の方の回答を、ひとつ紹介します。
「何をもって幽霊というのかわからないですが、目に見えない命はあります」
(40代・浄土宗)
不思議な超常現象を信じるのか
超常現象を「信じている」方の意見を紹介します。
「虫の知らせや、テレパシー的なことはあるのではないかと思っています」
(40代・浄土宗)
「ホスピスなどの現場では、いわゆる『お迎え現象』がよくあるそうです」
(30代・浄土宗)
「科学では解明できない世界が無数に広がっていて、それらは実は表裏一体で繋がっていると思うから」
(20代・真言宗)
「世の中を人間がすべて理解できるとはとても思えない。人間に理解できなければ、それはすべて不思議だから」
(50代・真言宗)
「努力や修行の積み重ねで、ありえない力が発揮されることがあります」
(40代・曹洞宗)
「『信じない』と拒絶する根拠がないから」
(40代・浄土宗)
「信じていない」方もひとりだけ紹介いたします。
「体感したことがないので、なんとも言えませんが、『そういうことがあってもいい』とは思います」
(40代・真言宗)
お坊さんの涙
ほぼ半々となりました。
「泣いたことがある」という方の意見を紹介します。
「やはり若い方などで、ご遺族や参列者の悲しみが深い時、つられて涙が出ます」
(40代・浄土真宗)
「総代さんの葬儀で。ホントにお世話になった方だったから」(50代・真言宗)
「自死遺族を前に、故人の半生を法話で尋ねていたときに感極まって」
(40代・浄土真宗)
「出家前、子どもの頃からお世話になった恩師の御葬儀でした」(40代・真言宗)
「子どもの葬儀などはやはり辛い。儀礼中は平静を保つが、その前後に涙ぐむことも」
(40代・浄土真宗)
「故人の孫が、お別れの言葉の代わりに、トランペットで『365日の紙飛行機』を演奏して涙腺崩壊」
(40代・浄土宗)
などなど、ご遺族の悲しみや、自身と縁があった方のお葬儀で泣いてしまうお坊さんが多くいました。
「お坊さんなら泣いてはいけない」という人がいるが、欺瞞だと思います。が、それで法務が執り行えなくなることは避けたいとは思っています」
(40代・浄土宗)
「共感、共苦にこそ仏法の救いがあるのだから、布教伝道において「喜怒哀楽」「人間的感情」を包み隠さないことは、否定されるべきではない」
(40代・浄土真宗)
という意見もありました。
最後に、意図した回答ではありませんでしたが、特筆すべき意見をひとつ紹介します。
「発狂した施主に首を絞められて。まあ、何かに当たりたいなら、それはこちらの方が良い」
(30代・曹洞宗)
最近、感動して涙を流したことは?
編集部一同、この質問に対する回答をまとめていただけで、涙が止まりませんでした。
お坊さんたちの感動、どうぞ存分に味わってください!
「中日ドラゴンズの大野雄大が、オリンピックでもらった金メダルを、急逝した同僚投手に見せてやるように天に向かって掲げたとき。これを書いているだけで思い出し泣きしています」
(40代・浄土宗)
「『カムカムエヴリバディ』で、安子とるいが再会できたとき」
(40代・浄土宗)
「学生の頃からずっと行きたかったお寺に参拝できたこと」
(20代・時宗)
「息子からの感謝の言葉」
(30代・浄土宗)
「先日のニコ超の声明公演で、日蓮宗のお導師さんに読み上げられた祈願文は感動しました」
(40代・真言宗)
「子どもの成長を見て涙し、ニュースの惨憺たる戦火を見て涙しています」
(30代・天台宗)
「村田諒太VSゴロフキン」
(40代・浄土真宗)
「五重相伝会を成満したこと」
(50代・浄土宗)
「『人喰らいの大鷲トリコ』のゲーム実況見て泣きました」
(30代・日蓮宗)
「『ハイポジ』というドラマを観て泣きました」
(30代・曹洞宗)
「クレヨンしんちゃんの映画を観て。家族愛に」
(40代・曹洞宗)
「最近ではトップガンマーヴェリックで泣きました」
(20代・曹洞宗)
「ゴーイングメリー号との別れのシーン」
(40代・浄土宗)
「小さな子どもを見ているだけで、かわいくて泣けます…」
(50代・真言宗)
いかがだったでしょうか。「スポーツ」「テレビ・ドラマ・映画」「お寺・お経」「子どもの成長」「修行」などなど、たくさんの涙エピソードが集まりました。 「お坊さん」というと、「心を動かさない人」だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「人と心を通わせること」もお坊さんの役割のひとつなのです。
今回はここまでです。お坊さんと「死」「霊」「涙」についてまとめた回答でした。
次回は、また近々、「お坊さんの好きなお坊さん」や「散歩におススメのお寺」「ちょっとした自慢」などをまとめて紹介いたします。乞うご期待!
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立正大学仏教学部卒業。東京仏教学院卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。
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