
過去、「ここより」で、6回にわたり樹木葬についてレポートしてきました。
今回、「ここよりファミリー」でもあり、大道芸人「PRINCOちゃん」としても活動している増田住職が、樹木葬の第2期をオープンしたと聞き、お話を伺ってきました!
実際に、樹木葬を導入した寺院の声を、お聞きください。
お坊さんの「やりがい」

本日はよろしくお願いします

こちらこそ、よろしくお願いします!

まずは、増田住職自身のことをお伺いさせてください

私は、お寺の生まれではないんです

えっ、そうなんですね

私のおじが僧侶で、ずっと「お坊さんにならないか」と誘ってくれていて、最初は断っていたんですが、自分自身がサラリーマンに向いていないと思っていた事もあり、承諾しました

(お寺生まれなのにサラリーマンになりたかった私と真逆だな…)

円東寺は、おじが兼務していたお寺で、檀家数も少なかったので、しばらくはおじのお寺に勤めながら守っていました

小さな寺院を保っていくのは大変ですもんね

そうですね。
でも「やりがい」もありました

それはどんな事ですか?

小さな寺院を「守っていく」と思うと大変ですが、「攻めていく」余地がたくさんあるともいえるので

おお、ポジティブですね

それと、お坊さんって、若いうちは「若いのに頑張ってるね」と言われるし、年齢を重ねると「有難い」って言ってもらえるので

ああ、それは確かに!
なぜ「樹木葬」を導入したか

樹木葬を導入した理由をお聞かせください

檀家数も少ないし、境内もさほど大きくない中で、どうやって「攻めていこう」かな、と思っていたところ、アンカレッジの顧問の堀内さんが、写経会に来てくださったんです

おお、宿坊研究会のほーりーさんですね

そんな縁で、樹木葬の勉強会に誘っていただき、見て、気に入りました

どんな点を気に入ったのですか?

「お墓」と「庭」が合わさっているのがいいな、と思ったんです

「お墓」と「庭?」

そうです。
円東寺のまわりは暗くて、「人魂が出た」という噂がたつほどだったのですが、一方で、デートコースになっている外国人墓地もあるじゃないですか

たしかに、横浜とか有名ですね

デートコースまでいかなくても、せめて散歩コースくらいにはなりたいな、と

あ、なるほど。
それで、庭のような雰囲気にしたかったんですね

それで、借金して、アンカレッジさんの樹木葬「第1期」を申し込んだんです

借金ですか…。大変でしたね

初めは、アンカレッジのスタッフを入れずに自分たちで販売していたのですが、手一杯になってきたので、スタッフにお願いすることにしました
スタッフさん、スゴイんですよ

なにがスゴイんですか?

「ここなら、宣伝しなくても売れますよ」って言うんです。場所がいいから
実際、スタッフさんが来てから、販売はかなり捗りました

樹木葬のシステムだけでなく、販売も任せられるんですね
「おおたかの森庭苑」の魅力

今回の「おおたかの森庭苑・第2期」の魅力を教えてください

今回は「五感に響く樹木葬」というテーマで、「光」「風」「水」の演出を取り入れました

先ほど仰っていた「散歩コース」ということにも繋がりますね

そうなんです
まず、「お寺って入ってもいいんだよ」という雰囲気にしたくて

檀家さん以外の人でも入れるよ、と

そして、お寺に来たからには、身体を動かしたり、音を聴いたり、風を感じたりして、五感でお寺を楽しんでもらいたいんです

増田住職の「サービス精神」が具現化された墓地ですね

回すだけで功徳になる「マニ車」もおススメです

これはスゴイ
絵ときの般若心経がマニ車(お経が刻まれている車輪型の仏具)になってる

「これ、なんて書いてあるんだろう」と思ってもらえれば、「布教」の第一歩ですからね

本当にそうですね

モミジの木や、手水鉢など、視覚でも楽しんでもらいたいです
「布教」にも「サービス精神」が必要

お話を伺っていると、増田住職の「サービス精神」というか「おもてなしの心」が表れている庭苑になっている気がします

そうかもしれませんね

増田住職といえば「大道芸」ですが、始めるきっかけなどあったのですか?

もともとマジックをやっていたのですが、どうも暗くてモテないな、と思っていたところ、ジャグリングに出会ったんです

(ジャグリングはモテるのかな…)

そのうち、バルーンアートもやるようになり、大道芸の奥深さを知るようになり、自然とお寺でも披露するようになったのです

「人を楽しませたい」という思いが、現在の布教スタイルに繋がっているんですね

お客さんを巻き込んでトランプの数字などを当てるマジックを「セルフワーキングマジック」というのですが、それにちなんで、お寺に遊びに来た人がいつの間にか仏教にふれている状況を「セルフワーキング布教」と呼んでいます

スゴイ
この「おおたかの森庭苑」には、増田住職の今までの経験がすべて入っているんですね

新しい本堂を立てる計画も進んでいます
ぜひ円東寺の「おおたかの森庭苑」を見学しに来て欲しいですね

本当ですね
本日はありがとうございました

こちらこそ、自分の考えをまとめるきっかけとなりました
ありがとうございました
訪れてみた感想
お寺の役割や存在意義は、地域と共存してこそ深まります。
円東寺の「おおたかの森庭苑」は、まさに、増田住職による「地域」や「住民」へのサービス精神でできており、「流山」や「おおたかの森」という地域全体と共に歩んでいこうとする姿勢を具現化したものです。
樹木葬を考えている方はもちろん、導入を検討している寺院関係者、そして、気軽に散歩してみたいと思った方も、ぜひ一度訪れてみてください。
増田住職の「布教(おもてなし)の心」にふれることができますよ。
円東寺 おおたかの森庭苑
〒270-0137 千葉県流山市市野谷563-1
0120-37-7676
(受付9:00-17:00)
取材協力
株式会社アンカレッジ
https://anchorage.co.jp/
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立正大学仏教学部卒業。東京仏教学院卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。
宗教の基礎知識、心のサポート、終活のサポートなど、こころのよりどころとなる情報を楽しくわかりやすく発信します!