ー関わり観なければいけないのかー
ー毎日の生活が何にどう繋がっていくのかー
ー真から安らかに暮らすため必要なことー

令和6年能登半島地震により被災された方へ。お見舞い申し上げます。
犠牲になられた方へ。お悔やみ申し上げます。
未だ行方不明な方も多数いらっしゃいます。どうかご無事にて。

元旦に発生した大災害。一週間経ち、未だ余震が起こりながら被災の全貌が見えてくるにつれ、甚大さの衝撃により、現地在住の方はもとよりすべての日本人が、この大震災、そして次の日に起こった航空機事故によってザワザワした気持ちを有した年始だったのではないでしょうか。年末年始休暇も終わり日常が動き出してきますが、これからも落ち着かない気持ちを持ち続ける方は多いかと思います。また自分は大丈夫と思っていても、顕在化していないだけで心の片隅に残り、ふとした瞬間にネガティブな感情としてぶり返していく可能性もあるかと思います。

私は1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災時より現地で9年間ボランティア活動をしてきた、いわゆるボランティア元年のボランティアです。

とはいっても発生当時に現地に入ったわけではなく、半年以上経過した10月より現地入りし、そのまま在住し様々な関わりにて復興のお手伝いをさせていただきました。

地震発生よりまだ一週間です。既に現地に赴いて活動されている、当時からのボランティア仲間もいます。日本の災害復興の基礎は阪神淡路大震災の経験により築かれている部分が多いと思いますし、実際その時活動していたメンバーが現在災害復興活動の研究者や活動家になりリーダーシップを取る立場になっている方もいらっしゃいます。

私自身は大災害発生当初の活動に関わったことはありませんので、仲間が精力的に活動していることを誇りに応援し続けようと思っております。

現在、個人で現地に入ることに関して制限されている部分があるようです。場合によっては強引に被災地に入ったからということで叩かれたりしている方もいるという話も聞きます。
余震も続き、建物や道も崩壊している状態で、それを克服する技量や装備がない方が現地入りしボランティアをすることは自らも危険が伴うこととなります。しかしながら、一人一人が様々な想いを抱え、行くという選択をされ、実際行動に移されるというのは大変な覚悟の元ではないかと思います。そして初動支援によって助かった方もきっといらっしゃるでしょう。実際にすぐ行動や支援を表明された方は素晴らしいですし尊敬いたします。

阪神淡路大震災の時、自らの身心社会等何らかの悩みを抱えた方が、大震災およびその後の惨状に強い衝撃を受け、自らの問題は後回しにしてでも助けたい一心で現地入りしてボランティア活動していた方もいらっしゃいました。一人一人の想いからの行動。その活動の中で少々一般規範からは間違った行動をされていたとしても、自らでご縁を築き工夫や想いを持った人間力にて一生懸命活動している方もいらっしゃいました。現在、現地入りや支援の方法にて様々言われている方もいらっしゃるという報道も見受けられますが、今はまだ規範の部分は大目に見てもよい時期かと思います。

まずは人を救助すること。建物や道などを直すこと。ライフラインを正常化すること。避難所を整備し過ごしやすくすること。被災者の衣食住を確保すること。支援物品の割り振りや配送ルートの整備等々。
当初にて様々な人材や物品、そして支援金が必要とされます。まず行かず支援されない者は、それに対してつべこべいう事はありえないと感じます。そのようなことを言うならば政府の対応にどんどんつべこべ言ってください。

だからといって決して現在行動されている、支援されている者が偉いわけではありません。

私は神戸ボランティア時代、始めの頃は活動の中で起こる無知だったことやできなかったことの対応、そして衝撃を受け止めるのに必死で、毎日ダメな自分と向き合い打ちひしがれておりました。時折耐えられなくなりボランティアが宿泊していた事務所にて数日ダウンしていた事も度々ありました。

しかし最前線で活動していることにて世間の評価は勝手に上がり、事情が分からない方々から”偉い”や”すごい”と言われ、名声のためという考えすらなかった上に、打ちひしがれギリギリで活動していた私には、その評価が苦しさにしかならず、余計に追いつめられていきました。

私はそれでも震災より半年以上経ってから関わったボランティアです。今現地にて初動活動または支援の表明をしている方々の覚悟と想いの強さには頭が下がります。
今必要な人材、物、お金。現在人材の活用や物品の流通にてうまく回っていない部分は多々あると思います。それにより被災者の方が不便や辛い思いをされていることもあろうかと思います。一刻も早く良き流れとなっていくよう願います。きっとそれについても神戸で活動していた仲間が大きな力を発揮しているものと頼もしく感じています。

そして今、想いを有し心はザワザワし続けているのに活動も支援もできず、引け目を感じている方も多いのではないでしょうか。

復興支援は今始まったばかりです。活動や支援ができる機会はこの後何ヶ月後でも何年後でも何十年後でもあります。この後初動の内容とは全く違いながらも重要な復興活動はいくらでもあります。大事なのは、今の衝撃とザワザワを忘れないこと。そして現地を想い続けること。

私は毎年神戸に赴き慰霊法要をしております。震災1年の同日同時刻から始まり、コロナ禍で行けないときはオンラインで繋がりながら、毎年同日同時刻にまちの慰霊碑の前で法要を営んでおります。来年震災より30年です。今でも30年前の衝撃の想いは忘れていません。だから続けられるのです。

コロナ禍を経て、大震災に限らず暗いニュースや、匿名や野ざらしの誹謗中傷によって自由に発言することすら拒まれる時節にて、日本人全体が打ちひしがれている時ではないかと感じます。伴って心の病や自ら命を絶つ方もいらっしゃるようです。
大災害・大事故・大殺傷事件。年明けより重なり、そのような情報すら入れたくないという方もいらっしゃいます。また陰謀論も出始めています。

どうしていけばよいのか。

様々に受ける情報に流され続ける生き方でなく、自分がどう生きていきたいかの根本から向き合っていかない限り、あなた自身は何も変わりません。そして向き合うことがすなわちあなた自身の強さになります。
特に、どう社会と良き関わりを持って生きていくかの願い。
全ての方が真からの笑顔で安らかに暮らすことができますよう。その願いと願いに沿った毎日の生活自体が支援であり、巡り巡って被災者や被災地に関わることなのです。

どの方をも一日が始まり終わります。
この世界に生きる一人の人間として。
毎日をどのような想いを持ってどう生きていくか。
それが今問われている時節なのかもしれません。
お寒い中、毎日を暮らし続ける皆々様。
どうかお元気でご無事でお過ごしくださいませ。

2024.1.15
zafu代表 藤井隆英 拝

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