
「おーい。インキン、どうした?」
二日酔いでボーっとしていたところに、住職から不意打ちを喰らった。
部活を引退し完治して以来、インキンなんて罹ってない。
はて、うちの住職はなにを言い出すのか…ってところで、我に返った。
「あっ、共同墓のところに忘れました!」
僧侶の方はお気づきだろう。
冒頭の住職の言葉は、「引磬(いんきん)をどこに置いたか」の意だった。
引磬は、法務で使う打楽器。おわん型の小鐘に柄をつけたもので、小さい鉄棒で打ち鳴らす。
出棺や火葬場での野辺送りの際に、僧侶が打ち鳴らすのを聞いたことがある人はいるだろう。
チンチーン。高音で長い余韻があり、聴こえなくなるまで耳を澄ますと、こころ落ち着く。
ちなみに、大辞泉(小学館)によると「いんけい」とも言うらしい。
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