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大切な人を亡くした遺族が、その死の悲しみを受け入れるために
生まれ、老い、病に伏せ、死を迎える。
仏教でいう生老病死。
避けることのできない誰もが必ず通るみち。
平等にこの世に生まれ、この世を生きても、この世を去る時間は人さまざまです。
現代社会では、核家族化が進み、身近な人の死を受け入れる経験が少なくなり、戸惑うばかりです。
大切な人が亡くなったとき、おおいに泣き嘆き悲しむ。遺された方がじっと我慢し続けることは、よくありません。
悲しみをしっかり受け止めて、現実と向き合ってゆくことにより、その辛い出来事が遺族のこれからの生活を支えてくれることになります。
大切な人が亡くなってからも遺された家族とのつながりは、綿々と続いています。
そして、辛い記憶や過去の出来事がだんだんと思い出に変わってゆくのです。
遺された方は死を受け入れる時間をしっかりと持ち、再生とともに、生きる現実の場のなかで、「生老病死」を自分の問題として深く見つめていくことが大切です。
大切な人を亡くした悲しみが癒えるまでのケアプロセス
第一段階/ショック
大切な人と別れ現実が受け入れられず、一時的にショック状態におちいることは、決しておかしなことではありません
第二段階/喪失
悲しみや不安に襲われたり、自信がなくなり周囲に当たってしまうことは、喪失感からくることもあるのです。
第三段階/引きこもり
疲労が蓄積し、生前にしてやれなかったことに対して、自責の念に襲われることによる、引きこもり状態になるのです。
第四段階/癒し
徐々に死を受け入れて、現実と向き合う回復期間は、人生と向き合うとても大切な回復期間です。そして新しい価値観を見出します。
第五段階/再生
このようなプロセス期間を経て、目標や自分の価値観を見つけ、悲しみを乗り越えてゆき、希望を持ち再生してゆきます。
頭で理解できても、この喪失感はなかなか抜けられません。
そんな時は、慌てず気長に、じっくり現実を受け入れる時間を待ちましょう。
大空の雲が、風に流されてゆくように・・・
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浄土真宗本願寺派長谷山宝性寺衆徒。ここより運営会社(株)エス・アイ・ピー 代表取締役。立正大学仏教学部仏教文化学科卒業後、サラリーマンを経て出版業を営む。中央仏教学院を卒業後得度し、浄土真宗本願寺派の僧侶となり、翌年、教師となる。