平成館にて、4月16日から6月9日まで開催「法然と極楽浄土」

4月16日(火)から、東京国立博物館の平成館で「法然と極楽浄土」という特別展が行われます。
浄土宗開宗850年という節目である今年、この東京を皮切りに、京都、九州を巡回する予定とのことですが、関東近郊にお住まいの方にとっては、普段見ることのできない、貴重な機会になります。
5月14日(火)を境に、大規模な展示替えもあると予告されています。ぜひ、数回足を運ぶことをお勧めします。

「法然」がどのような人物だったのか。
「浄土宗」とはどのような教えなのか。

なぜ、現在でも脈々と伝わり続けているのかが、理解できると思います。



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「法然と極楽浄土」のみどころ

「法然と極楽浄土」では、3つのキーワードから法然を読み解いています。

「極楽浄土と阿弥陀如来」
「浄土教と浄土宗」
「南無阿弥陀仏と専修念仏」

の3つです。

浄土宗で信仰される「阿弥陀如来」がどのような存在なのか。
親鸞の「浄土真宗」や一遍の「時宗」にもつながる、「浄土信仰」がどのように生まれ、日本に広まっていったのか。
「南無阿弥陀仏」という六文字が、どのように扱われてきたのか。
これらがすべて、平安末期から江戸時代に至る時系列に従った展示で紹介されています。

比叡山での修業時代から浄土宗開宗までをたどる「法然とその時代」。
どのように浄土信仰が広まっていったのかを知る「阿弥陀仏の世界」。
法然の没後、弟子たちによる布教のさまを垣間見ることができる「法然の弟子たちと法脈」。
徳川家康が支えたことにより、浄土宗が飛躍的に発展した時代である「江戸時代の浄土宗」。
以上の4ブロックに、浄土宗の各派の協力によって集まった、国宝や文化財が展示されており、別料金ですが、松本幸四郎、市川染五郎の両名による音声ガイドもあります。
すべての展示が、法然と極楽浄土を知る、貴重な資料です。

浄土宗僧侶として

浄土宗僧侶である私は、法然の生涯を知る数々の展示や、阿弥陀如来像の有難さももちろんですが、「弟子たちと法脈」に心を奪われました。
法然上人が亡くなってからこの現在まで、浄土宗の教えが伝わり続けるには、数々の弟子たちの尽力が欠かせませんでした。
どこかで系譜が途切れることがあったら、私は浄土宗の教えにふれることができなかったのです。
震える思いで、先人たちの足跡をたどりました。

そういう意味で、私の心がいちばん揺さぶられた展示は、念仏の禁止を言い渡された法然上人が、門人の行動を正すために作った「七箇条制誡(しちかじょうせいかい)」でした。
「一枚起請文」も捨てがたいですが、「七箇条制誡」に、それぞれの筆致で署名された弟子たちの法名を眺めているうちに、浄土宗僧侶としての誇りが、身体から湧き出るような感覚を覚えたのです。

ぜひ、上野 東京国立博物館に足を運んでください。
浄土に関わるすべての人に、見て欲しい展示です。



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特別展「法然と極楽浄土」開催概要

名称:特別展「法然と極楽浄土」
会期:2024年4月16日(火)~6月9日(日)
会場:東京国立博物館 平成館

開館時間:午前9時30分~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、5月7日(火) ただし、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館
観覧料:一般2,100円 大学生1,300円 高校生900円 中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料

お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://tsumugu.yomiuri.co.jp/honen2024-25/index.html
公式X(旧Twitter):@honen2024_25

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