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数の位ってお経なの?

数の位について質問です。億や兆くらいまでなら聞いたことがありますが、徐々に聞き馴染みのない位になって、最後の方になると、なんかお経っぽくなっていく感じがします。数の位って、お経と関係あるのですか?

回答者:浄土宗僧侶 佐山

あります。大きな位の名称については、時代や地域、書物によって違いがありますが、万以降の位は、おおよそこうなっています。
 万(まん)、億(おく)、兆(ちょう)、京(けい)、垓(がい)、𥝱 (じょ)、穣(じょう)、溝(こう)、
澗(かん)、正(せい)、載(さい)、極(ごく)、恒河沙(ごうがしゃ)、阿僧祇(あそうぎ)、那由他(なゆた)、不可思議(ふかしぎ)、無量大数(むりょうたいすう)。
 それぞれの位に、一から九千九百九十九までがあります。

 恒河沙からがお経に由来します。お経が中国に伝わる際、経典に出てくる数字があまりに
も大きすぎたため、それまでにあった単位では足りなくなり、経典から呼び名をとって増
やしていったといわれています。

恒河沙とは「ガンジス河にある無数の砂」という意味。阿僧祇は「数えきれない」。那由
他は「極めて大きな数量」。不可思議は「考えてわかるようなことではない」。無量は「空
間的に限られていない」という意味で、無量大数とは「ほとんど無限大に近い」というこ
とになります。

浄土系の本尊である阿弥陀仏は、別名を「無量寿仏」といいますが、それはサンスクリッ
ト語で「無量の光」をさす「アミターバ」という音が語源だからです。

京より大きな位については諸説あり、それぞれで数字が違うこともあるのですが、実生活
でそこまで大きな位を使うことはないので、あまり問題になることはありません。10の
何乗などで表現することの方が多いのです。
それでいくと、無量大数は10の68乗となり、名がついていないだけで、理論上はそれ
より上の数字もあります。「無限大」とは別なのです。

なお、「華厳経」という経典では、また違う位が設定されています。そこでの最大の位は
「不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)」といい、なんと無量大数の5400溝乗という、想像もおよばないような数字です。もちろん実用ではなく、計算もできないほと大きな数を示すことで、悟りの功徳の大きさを表すものです。

ちなみに、小数の単位の数え方でいちばん小さなものは「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」
といい、10の-24乗です。

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