大切な人が亡くなり、葬儀社を決め、まず決めなければならないのが葬儀の日程。
ここでは、葬儀の日程の決め方から、その後の法要について紹介します。

一般的な葬儀の日程の決め方

葬儀を行う日は、いつまでにという決まりはありませんが、一般的には、亡くなった日を1日目とし、2日目にお通夜、3日目に葬儀式・告別式、火葬を執り行います。

安置する場所やご遺体の状態を維持することを考慮し、なるべく速やかに行ったほうがよいでしょう。

ただし、火葬については、法律で亡くなってから24時間経過してからと決まっています。そのため、亡くなった当日中に火葬を行うことはできません。一般的には、葬儀式・告別式の日に火葬を行います。

喪主を務める際には、通夜と葬儀・告別式を行う日取りを決め、それぞれの日の具体的なスケジュールも決めなければなりません。

喪主は、精神的にもつらいなかで、時間的余裕もない状況で葬儀の内容を決めることになります。そのため、葬儀社の担当者に主導してもらい取り決めることが増えています。



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葬儀日程を決める際のポイント

実際に身近な人の死に直面したときに慌てず対応できるように、どのように葬儀の日程を決めるのがよいか、日程調整について押さえておきたいポイントを解説していきます。

菩提寺など、宗教施設の予定を確認

葬儀を執り行う上で、宗教者の日程を確保しておく必要があります。

生前信仰していた宗教(仏教や神道、キリスト教など)の宗教施設(お寺や神社、教会など)と調整します。

菩提寺や、普段お世話になっている宗教施設がある場合は、早めに連絡するようにしましょう。
どうしても予定が合わないという場合には、同じ宗教・宗派の他の施設の宗教者を紹介してもらう方法もあります。
ただし、菩提寺などを無下に扱ってしまうとお墓への納骨ができなくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。

菩提寺や、普段お世話になっている宗教施設がない場合は、葬儀社に相談するのが一般的となっています。

葬儀場・火葬場の予定を確認

葬儀の日程を先に決めてから火葬場の予約をしようとすると、希望の時間帯が既に予約で埋まっている可能性があります。

亡くなられた翌々日にお葬式を執り行うと仮定して、大まかな希望時間を決めてから火葬場に連絡します。

希望の時間帯に火葬場が空いていれば、スケジュール通り進めていきます。
希望する日がどの時間帯も予約で埋まっているという場合には、お葬式の日にちを遅らせます。

地域によっては先着順や予約制ということもあります。
また、年末年始は長期休暇中ということや、大都市近郊では順番待ちで数日待つ必要もあるため、葬儀会社に空き状況を確認しながら日程を決めましょう。

ご遺族・ご親族の予定を確認

僧侶や火葬場の日程を押さえたら、次に参列者のスケジュールを確認しましょう。

家族や親しい人たちだけでなく、故人と関係のある人々や知人、同僚、近隣住民など、多くの人々が参列してほしいという場合は、公共交通機関の兼ね合いから日程の調整が必要なこともあります。

参列してほしい人たちには、早めにスケジュールを確認しましょう。

地域の風習も考慮する

葬儀は、宗教・宗派だけでなく、地域によっても風習は異なります。

例えば、葬儀後に火葬場に移動して火葬をするパターンが一般的ですが、逆の順番で行う地域もあります。
地域の風習を踏まえ、冠婚葬祭のしきたりが分からない場合はご近所さんや地域の葬儀会社に質問し、それぞれの地域に即したやり方で進めましょう。



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葬儀の種類

一般葬

最も伝統的かつ一般的な、いわゆる「従来型のお葬式」に当たるのが一般葬です。
流れとしてはお通夜、お葬式、告別式の順で執り行われます。
宗派、地域のしきたりや、習慣を重視したお別れができるのが特徴です。

家族葬

家族葬は、その名の通り家族を中心とした遺族や近親者で行う小規模なお葬式で、その内容も家族が自由に決められるため、納棺と火葬のみで済ませるものもあれば、一般葬と変わらない流れを踏むものまで様々です。
気心のしれた人のみが集まるため、しみじみと個人を見送ることができるのが特徴です。

密葬と本葬

後日本葬を行う事を前提として、家族や親しい人とのみで故人を送ることを密葬と言います。
近年では密葬時に宗教的な儀式を済ませた上で、偲ぶ会、お別れ会など宗教色のない本葬を行う人も増えています。

直葬(荼毘)

納棺の後にご火葬のみを行います。
高齢化や単身世代の増加、費用の抑制、時間の短縮など直葬を洗濯する理由は様々ではあるのですが、近年直葬を希望される方は徐々に増えてきています。
ただ、故人の死を悼みながらお別れするというお葬式の本義を踏まえ、炉然の前での読経はお願いしましょう。

一日葬

一般葬では通常2日がかりで行われる、お通夜、葬儀、告別式を一日で行うもので、遺族や参列者の時間、経済的な負担を軽減できるとされています。

社葬と合同葬

会社の代表や社業の発展に寄与した人が亡くなった場合に会社が喪主となり行うお葬式を社葬といいます。
また、遺族と会社が一緒に喪主を務めるものを合同葬といいます。

↓葬儀について、詳しく知りたいという方は、こちらを御覧ください。

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葬儀(仏式)の流れ

受付

喪主や遺族は葬儀が始まる1時間前に集合し、担当者と段取りの打ち合わせをします。
事前に受付準備や香典の受け取りなどの役割を確認し、葬儀が始まる15~20分前には参列者が着席できるよう受付を行います。

導師(僧侶)入場

受付を済ませてホールで待機し、進行役の葬儀会場スタッフの指示に従い、会場に入って着席します。
親族は、血縁の濃い順に前方から着席していくのが基本となっており、席順がそのまま焼香の順番となります。
会場スタッフのアナウンスとともに、導師(僧侶)が入場します。
「姿勢を正して合掌」等、進行役のアナウンスがある場合があります。

読経

葬儀が始まると僧侶に読経をしていただきます。

焼香

進行役のアナウンスに従って、焼香に進みます。
遺族、親族、一般の参列者の順に祭壇前の焼香台へと進み、焼香を行ないます。
焼香の回数や作法は宗派によって異なりますが、宗派の作法を厳格に求められることは稀です。事前に説明があった場合は、説明にそって行い、分からない場合は、様子を見てご自身の判断で行って問題はありません。

導師(僧侶)退場

導師(僧侶)が退場します。
入場時と同様に「姿勢を正して合掌」等、進行役のアナウンスがある場合があります。

出棺見送り・火葬

焼香が終わり、僧侶が退場されるのを見送ると葬儀は閉式となります。
一般の参列者は、式場の外で出棺見送りのために待機し、遺族は故人の周りに生花を飾る「別れ花」や「お花入れ」に移ります。
その後、出棺し火葬場へ移動。最後のお別れをしてから火葬を行います。
僧侶にも来てもらう場合は、読経をしてもらって焼香を行うのが一般的です。火葬には1時間ほどかかり、火葬が終わると遺骨を骨壺に納める骨上げを行います。

精進落とし

火葬場から戻った後、僧侶やお世話になった方々、参列された方々を招いて行う会食を精進落としといいます。精進落としの最初と最後には喪主が挨拶を行い、精進落としが終われば当日の流れは終了です。

親族、友人、知人への訃報連絡について

マナー

参列する方は準備や移動に時間がかかりますので、日程が決まったらできるだけすぐに知らせるようにします。

方法

一番確実な方法は電話ですが、電話番号が分からない場合は、メール、手紙、FAX、最近ではLINEなどのSNSを通じてお知らせする方も増えています。

内容

故人の名前、喪主の名前、葬儀の日程・場所、宗教・宗派を正確かつ確実に伝えましょう。

伝える順番

親族→友人→会社または学校関係→町内会などの近所の方の順が一般的です。
事前に連絡先のリストを作っておくことで、スムーズに連絡できます。

「友引」や「仏滅」に葬儀を執り行うのは?

六曜は基本的に仏教の教えと関係ありませんが、 一般的に友引や仏滅の日に葬儀を行うことを避けるべきだと考える人もいます。

友引の本来の意味は引き分けですが、「友引」という言葉のイメージから「友を引き連れて行く」という意味が定着しました。

仏滅は、「仏が滅びるような凶日」として、運が悪く何を行ってもうまくいかない日だとされることがありますが、かつて、「仏滅」を「物滅」と書いていた頃は、すべてのものが消えて、新しくなる日ということで、縁起が良い日といわれていたこともありました。
捉え方は様々ですが、葬儀を行ってはならないという決まりはなく、宗教的にも問題はありません。

トラブルを避けるという点であれば、葬儀の日程をあらかじめ親せきなどに相談し、了承を得た上で決めるとよいでしょう。

また、友引を避ける方がいることから、友引の日を定休日にしている火葬場があります。
そのため友引明けの火葬場が込み合う可能性がありますので、日程が決まり次第早めに予約しておきましょう。

初七日法要・四九日法要について

初七日法要

仏式では、故人が亡くなってから7日ごとに法要を行います。
最初の法要は初七日法要です。

葬儀の日程がスムーズに組めたとしても、葬儀が終わってから2、3日で初七日。
何度も集まるのは大変であるため、葬儀の日に初七日法要も済ませてしまうことが増えています。 「式中初七日」や、「繰り上げ初七日」と呼ばれる法要です。

亡くなってから改めて7日目に初七日法要を行う場合にも、僧侶を呼んで読経を行います。

四十九日法要

一般的には、初七日の次に親戚等を集めて法要を行うのは四十九日法要になります。
また宗派や地域によっては三十五日の法要を重視することもあります。

四十九日法要は、必ずしも亡くなられてから四十九日目である必要はなく、土日や祝日など、参列者が集まりやすい日を選びましょう。

ただし、その場合は四十九日後よりも前倒しにするのがよいとされ、少し早めの日程を設定するのが一般的です。

まとめ

一般的には、葬儀は亡くなった日の次の日にお通夜、その次の日に葬儀・告別式、火葬を執り行います。

しかし、葬儀の日が友引にあたったり、火葬場が空いていなかったりなど、日程の変更が必要な場合もあります。
また、葬儀の後にも、初七日法要や四十九日法要の準備が必要です。

これら法要の日程の組み方について知っておくことで、いざという時に焦らずに済むようにしましょう。

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