4月14日は、よい死の日
「よい死の日」である4/14を含んだ、4/13~18の6日間、渋谷ヒカリエで「Deathフェス」が行われました。
少子高齢化と同時に訪れると予測されている「多死社会」に向けて、「人生100年時代」をどう生きるかを、若者の世代にも考えてもらおうという企画です。
以前「地獄VR」でお世話になった、日蓮宗の久住謙昭さんや、シンポジウム「どうなる仏教」の登壇者だった、ジャーナリストの鵜飼秀徳さんらも、ワークショップの講師として参加されています。
今回は、ここよりファミリーの藤井さんにお誘いいただき、同じくファミリーの増田さんと3人で、翻訳家で、マインドフルネス瞑想の講師である「島田啓介」さんのワークショップに参加することになりました。
「死」とはなにか、考えるために。
スポンサーリンク
「マインドフルネス」と「坐禅」
「生き切れば、死に切ることができる」
ワークショップは、島田さんのこんな言葉から始まりました。
まわりの人と「どこから来たの?」「自分の名前の由来」、そして「何が私を、ここに連れてきたのだろう?」というテーマを語り、考えることで、「自分」とは何かという意識を深めていきます。
そして、普段は当たり前のように行っている「呼吸」を意識することで、「生きていることってスゴイ」と気づかされるのです。
私は、以前参加した「坐禅」を思い出していました。
「坐禅」の前には「作法」があり、普段、無意識に行っていることを、しっかりと意識しながら行う。そして、まわりで何が起ころうと、それを受け容れ、安らかに日常を積み重ねていく。
島田さんは「初心」という言葉を使っていましたが、「生きてるってスゴイ」という気づきは、明らかに「坐禅」と近いものでした。
スポンサーリンク
「マインドフルネス×死」
その後もワークショップは、「私」について考えさせられながら進んでいきました。
「私」はなにでできているのか。
「私だけのもの」ってあるのだろうか。
「自分が気に入っている自分の要素は、誰からもらったものだろう?」
「私」は、「私以外」のいろいろなものでできており、誰かから何かを受け取り、それをまた、誰かに受け継ぐ。
そうして「私」を含む「縁」は繋がっていき、自分が死んでも、輪廻は続いていく。
私たちは、生きとし生けるもののすべてと、そして先に亡くなった膨大な生命と、大事ななにかを共有しながら生きている。
「これから帰って、大切な人へ何を贈るか」を考えたあと、最後に、竹内まりやの「いのちの歌」を聴いて、ワークショップは終わりました。
いつかは誰でも死ななければならないけれど、その時その時に感じた喜びは自分の中に残る。
自分が遺したものを誰かが引き継ぎ、「いのち」は続いていく。
今、生きていることの素晴らしさを感じながら、「有難い」という気持ちで、目の前のことを積み重ねていこう。
そう思わせてくれた、貴重な体験でした。
このワークショップ以外にも、「入棺体験」や、「自分の死後についてのアンケート」など、興味深い展示がたくさんありました。
渋谷という街で、若者向けにこういった催しが行われていることに感動しながら、この体験の締めとして、僧侶3名、島田さん、島田さんの翻訳本の編集者という男だらけのメンバーで、スイーツの会が開催され、幸せな気持ちで帰路につきました。
今生きている喜びを、存分に感じることができたと思います(アイス美味しかったです)。
スポンサーリンク
関連記事【ここより体験記】
国内初!お墓のテーマパークがオープン「現代墓所墓石テーマパーク」
映画「カオルの葬式」試写会を僧侶目線でレビュー|11/22より全国公開!
浄土宗僧侶。ここより編集長。大正大学卒業後、サラリーマン生活を経て、目黒の五百羅漢寺へ転職。2014年より第40世住職を務めていたが現在は退任。ジブリ原作者の父の影響で、サブカルと仏教を融合させた法話を執筆中。