鳥山明が亡くなってもドラゴンボールは続く

多くの方がご存知の通り、先日、『DRAGON BALL』の作者、鳥山明先生が亡くなられました。
驚いたのは、海外のファンからの悲しみの声も大きかったことです。
私は、ジャンプでの新連載時代からの読者ですが、それ以来、どれだけの数のファンが増えたのだろう、と、気が遠くなる思いでした。

今年の秋からは、なんと新作アニメシリーズの「ドラゴンボールDAIMA」が始まるとのこと。
ますます、新規のファンが増えていくことでしょう。

釈尊が亡くなっても仏教は続いた

考えてみれば、作者本人が亡くなっても作品が続いていく、というのはすごい事です。
遺された人々が、作者本人の思いを継いで、「悟空やクリリンならこうする」と、作品のことを理解していなければ、続いていくことはあり得ません。

仏教の開祖である釈尊は、2500年以上の昔に、亡くなられています。
しかしご存知の通り、現在でも、その教えは脈々と引き継がれています。
それは、釈尊から直接の教えをいただいた阿羅漢たちや、龍樹など、後の時代の高僧たちが、釈尊の教えを理解し、布教を続けてきたからです。
だからこそ、インドで生まれた仏教が、遠く離れたこの日本でも広まり、令和の現在まで伝わり続けているのです。

釈尊の死後、教えが広まるにつれ、地域差による食習慣の違いなどから、戒律が変化していきました。
そのため、釈尊の時代の教えを尊重する「上座部仏教」と、出家した修行者ではない人にも救いがあるとする「大乗仏教」に分かれ(ものすごくざっくりと説明すると)、今に至ります。

ひょっとすると、今後「ドラゴンボール」も、「DAIMA」を認めない派や、「超」や「Z」ですら認めない原理主義者が登場してくるかもしれません。そうなったら「GT」などもっての他です。
でもそれは、作者亡きあとも作品が続いていくためには、必要な動きなのです。
だから私たちは、「スーパーサイヤ人」が「4」になろうが「ゴッド」になろうが「ブルー」になろうが、見守っていく必要があります。

それが「原典」を知る者の務めだからです。

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著者紹介

鶯 蒼治郎
謎の浄土宗僧侶。
その正体は闇に包まれているが、以前は目黒で活動していたS山T郎ではないかとも言われている。
《著書》
三笠書房・知的生きかた文庫より『流されない練習』発売中
《関連情報》
根岸・西念寺にて「ドラクエ法話」不定期開催
西念寺ホームページ:http://sainenji.tokyo/