お地蔵さんってなんですか?たまに道端にいるのを見かけますが、お寺にいなくてもいいんですか?

お地蔵さんってなんですか?
たまに道端にいるのを見かけますが、お寺にいなくてもいいんですか?



お地蔵さんは、「地蔵菩薩」という菩薩さまです。菩薩とは「菩提薩埵(ぼだいさった)」の略で、菩提とは「悟り」の意。薩埵は「生きている者」のことです。つまり、「悟りを求めて修行する、すべての者」のことを指す言葉です。

菩薩には、悟りを求めるだけじゃなく「人々を救済する」仕事もあるとされており、いつしか「修行する者たち」だけでなく「将来、悟りの世界へ行けることを約束されているが、あえてすぐに行かず、修行をしながら現世の人々を救うために力を尽くす仏さま」という、信仰的な意味を含むようになりました。

菩薩さまは、お地蔵さん以外にも、「観音菩薩(かんのんぼさつ)」「勢至菩薩(せいしぼさつ)」「弥勒菩薩(みろくぼさつ)」「文殊菩薩(もんじゅぼさつ)」「普賢菩薩(ふげんぼさつ)」などなど、たくさんいらっしゃいます。
この中で特筆すべきは、弥勒菩薩。お釈迦さまが亡くなってから、56億7千万年後の未来に地上に現れ、世の中を救うと言われていて、現在は天界で修行中の菩薩さまなのです。

では、弥勒菩薩の降臨まではどうすればいいのか、というところを救ってくださるのが、地蔵菩薩なのです。56億7千万年ものあいだ、人々を救い続ける使命を負っている菩薩さまです。

幼い子どもが、親よりも先に亡くなってしまったとき、三途の川を渡ることができず、賽の河原で、ずっと石を積み続けなければならない、という言い伝えがあります。
地蔵菩薩は、賽の河原に足を運んで、石を崩そうとする鬼から子どもたちを守り、仏法や経文を教えて、成仏へ導いてくれる、といわれています。

地蔵菩薩は、他のどの菩薩さまよりも、人々の暮らしに密着しています。日本古来の神道とも結びつき、「町の守り神」とされてきたため、お寺だけでなく、道端や四つ角にも祀られることも多く、親しまれてきました。

子どもたちをはじめ、弱い立場の人を優先して救ってくださる菩薩さまのため、お寺まで行くことのできない老人や、病気の重い人なども気軽にお参りできるように、各地にたくさんのお地蔵さんが祀られています。
道で見かけることがあったら、ぜひ手を合わせてお祈りしてください。

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