報恩講とは

親鸞聖人のご命日にあたって、その恩徳を報謝する法要。
浄土真宗本願寺第三代宗主の覚如上人が、宗祖親鸞聖人三十三回忌にあたる永仁2(1294)年に『報恩講私記(式)』を作って法要の次第を定め、親鸞聖人の恩徳を偲ばれたことに始まるとされています。

浄土真宗本願寺派の本山 京都の本願寺では、親鸞聖人の御祥月命日の1月16日(新暦)にかけて1月9日から法要が営まれます。

その他の浄土真宗本願寺派の一般寺院では、本願寺(京都)の法要に参加できるよう日時を繰り上げて行われており、「御引上会(ごいんじょうえ)」「御取越(おとりこし)」などともいわれています。

(参考文献:浄土真宗本願寺派 法式規範/本願寺出版社)

築地本願寺 報恩講が始まります

この日、2022年11月11日〜16日まで行われた築地本願寺報恩講法要の最終日に参加してまいりました。
この日の日中法要開始は10:00ですが、9:10開始の布教(ご法話)から参加しました。

ご法話で聞いた「恩」のお話し

「報恩講」のなかに含まれ、浄土真宗のなかで大変重要な意味をもつ「恩」の字。
この時のご法話は「恩」の字のお話しから始まりました。

「恩」という字は、「原因」の「因」の字と、「心」からなりたっている。
「因」=なされたこと
「心」=知る

つまり、「恩」とは「なされたことを知る」ということ。
「ナンマンダブツ」のお念仏は、仏さまから来た(なされた)救いのはたらきが、今ここに届いてくださっている証拠。そのことを知り、感謝する。「恩」にはそういった意味があるのだそうです。

日中法要「報恩講作法」開始

10:00より、日中法要「報恩講作法」開始が始まりました。

浄土真宗本願寺派 第二十五代専如ご門主さまがおつとめになられます。

ここでは、「報恩講作法」で読まれる『報恩講私記(式)』と『嘆徳文(たんどくもん)』 について取り上げます。

『報恩講私記(式)』

報恩講作法では、先にもあげた本願寺第三代覚如上人が宗祖親鸞聖人の三十三回忌法要で朗読を期して制作された『報恩講私記(式)』が読まれます。

『報恩講私記(式)』では、浄土真宗 七高僧の第一番目にあたる龍樹菩薩の句を引用された後、仏教で拠り所とする「仏・法・僧」の三宝を敬礼(きょうらい)されて、親鸞聖人のご化導によって尊いおみ法(のり)が伝えられたことを喜びます。

次いで、親鸞聖人のお徳を、

1.真宗興行(こうぎょう)の徳〔浄土真宗を開かれたこと〕
2.本願相応(そうおう)の徳〔親鸞聖人のみ教えが正しく阿弥陀如来のご本願に相応するものであること〕
3.滅後利益の徳〔親鸞聖人ご往生の後、み教えがますます盛んなこと〕

の三段に分けて讃えられます。

『嘆徳文(たんどくもん)』

『歎徳文』は、延文四(1359)年、本願寺第四代善如上人の求めに応じて、覚如上人のご長男、存覚上人が制作されたもので、親鸞聖人が浄土真実(他力)の教えに帰せられたことや、本願のおめあてを私たちにお示しになったことなどを中心に、親鸞聖人のお徳を讃嘆(さんだん/深く感心して褒める)されたものです。

(参考文献:築地本願寺報恩講勤行集/本願寺出版社)

報恩講期間中のみかけられる掛軸「御絵伝」

親鸞聖人のご生涯を四つの掛軸で表した「御絵伝」は、報恩講の期間のみ右余間(向かって左)にかけられます。
築地本願寺報恩講に参拝のさいは、是非ご覧ください。

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