基本情報

俗塵を嫌い福井に永平寺を建てて、そこを隠棲とした道元。
北条時頼の招きを受けて一時は鎌倉に移り住むも、すぐに永平寺に戻ってしまいます。そんな出家至上主義を貫く道元を宗祖とするのが曹洞宗です。

〈開祖〉
道元(承陽大師)1200年〜1253年

〈本尊〉
釈迦牟尼仏

〈教義〉
壁に向かって座禅をする黙照禅にて、ひたすら座禅に徹する只管打坐がそのまま悟りになるのです。ただひたすら坐ることが悟りにつながり、坐禅こそが安楽の法門と説きます。
お釈迦さま、道元禅師、瑩山禅師の教えのみを信じ、その教えに導かれて毎日の生活の中の行いひとつひとつを大切にすることを心がければ、身と心が調えられ、私たちの中にある仏の姿が明らかとなると教えています。

〈経典〉
『金剛経』『法華経』『般若心経』『延命十句観音経』などを用いるものの、特定の経典は定めていません。

〈道元著〉
『正法眼蔵』『永平廣録』『普勧坐禅儀』『永平清規』『正法眼蔵随聞記』『寶慶記』

〈戒名〉
院号・居士・大姉、信士・信女。院殿号を与える際は、大居士、清大姉をつけます。

曹洞宗の本山

大本山僧堂
永平寺
總持寺

曹洞宗の葬儀

曹洞宗の葬儀では仏弟子となる手続きが大事とされるため、剃髪と授戒の儀式が行われます。
導師が授戒した後「血脈」と言われる釈迦牟尼仏から故人に至るまでの系譜を霊前に供えます。

曹洞宗の宗祖 道元の一生

 幼くして両親を亡くした道元は13歳で比叡山に上がります。

 24歳で宋に渡り如浄のもとで曹洞禅を修め、28歳で帰国。その後、京都の建仁寺で『普勧坐禅儀』を著して、ただひたすら坐る座禅を仏法の正門とし、福井に永平寺を建立し、自らもそれを実践しました。

 当時の道元に教団結成の意思はなく、没後に宗派としてまとめたのは總持寺を建立した紹瑾で、曹洞宗では道元を「高祖」、紹瑾を「太祖」と呼びます。

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参考文献:(株)廣済堂 豊かな死を受け入れるために,2020