基本情報

 筆の達人として知られている弘法大師とは空海のこと。嵯峨天皇や橘逸勢らと共に「三筆」と称されるほどの腕前の空海を宗祖とするのが真言宗です。

〈開祖〉
空海(弘法大師) 774年〜835年

〈本尊〉
大日如来

〈教義〉
密教。大日如来と一体となることで、今現在生きているこの身のまま成仏できる即身成仏を説きます。これは密教の修行を積めば誰でも仏になることができるという教えで、大日如来を自分自身の中に確認し、仏と自分とが一体になった状態こそが即身成仏にあたるとしています。

〈経典〉
『大日経』『金剛頂経』

〈空海著〉
「三教指帰」「十住心論」「文鏡秘府論」「篆隷万象名義」「性霊集」等

〈戒名〉
・六文字 ○○〇〇信士、居士。○○〇〇信女、大姉。
・九文字 〇〇院○○〇〇居士。〇〇院○○〇〇大姉。
・十文字以上 〇〇院殿〇〇〇〇大居士。〇〇院殿〇〇〇〇清大姉。

真言宗の本山

◇古義真言宗系
東寺真言宗総本山    教王護国寺
高野山真言宗総本山 金剛峯寺
真言宗善通寺派総本山 善通寺
真言宗善通寺派大本山 随心院
真言宗醍醐派総本山 醍醐寺
真言宗御室派総本山 仁和寺
真言宗大覚寺派大本山 大覚寺
真言宗泉涌寺派総本山 泉涌寺
真言宗山階派大本山 勧修寺
信貴山真言宗総本山 朝護孫子寺
真言宗中山寺派大本山 中山寺
真言三宝宗大本山    清澄寺
真言宗須磨寺派大本山 須磨寺

◇新義真言宗系
真言宗智山派総本山 智積院
真言宗豊山派総本山 長谷寺
新義真言宗総本山    根来寺

◇真言律宗
真言律宗総本山    西大寺
真言律宗大本山    宝山寺

真言宗の葬儀

真言宗の葬儀では、導師と言われる僧侶が亡くなった人に戒を授け、般若心経が唱えられます。

真言宗の宗祖 空海の一生

 804年に入唐。インドで生まれた密教の奥義すべてを師である恵果から伝授され、日本に持ち帰ります。嵯峨天皇から帰依を受けた空海は、816年に高野山金剛峯寺を開き、真言宗の開祖となりました。
 
 823年には嵯峨天皇より東寺を賜り、金剛界、胎蔵界の秘法を説く真言密教は瞬く間に広がっていきます。空海は仏教だけでなく、書道や詩歌など多方面においてその才を発揮しました。著書の中には仏教思想に留まらない作品も残しています。 

 また、空海は庶民のための学校「綜芸種智院」を創設したり、土木工事なども行ったため、当時の天皇や貴族のみならず民衆からの人気も非常に高かった僧侶です。

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参考文献:(株)廣済堂 豊かな死を受け入れるために,2020