9月より、「株式会社アンカレッジ」についてシリーズでお届けしてきました。
2025年、巳年の一発目となる今回、今までの記事のまとめとして、(株)アンカレッジ代表取締役である矢島靖擴さんに、お話を伺ってきました。

アンカレッジ矢島社長

お寺との出会い

「会社の歴史を話す前に、まずは私のプロフィールから説明します」

矢島さんが、物腰柔らかく語り始めました。

「以前は、総合電気メーカーで、ごく普通のサラリーマンとして働いていました。情報システムの分野で新事業の企画や開発を行っていたのですが、あるとき、このまま大企業にいるよりも、外の世界で自分の力を試したくなり、退職しました」

まだその頃20代だった矢島社長。「自分の力を試したい」のと同時に、様々な悩みも重なっていたようです。

「前に進もうともがきながら、色々なジャンルの本を読みました。哲学、神道、イスラム教などなど…、その中で、いちばんしっくりきたのが『仏教』の本でした」
「仏教に興味がわいて、お寺めぐりをしていた時、ひとりで、あるお寺の本堂にいたら、自然と涙が流れてきたのです」
「お寺って、神聖な場所なんだな…、という思いを抱き続けていました。ご縁があってアンカレッジ創業者の柏住職とお会いする機会があり、その流れで入社することになり、4年前に社長となりました」

なんという仏縁でしょう。人が悩んでいるときに、颯爽と現れるのが、僧侶なのです。

「柏住職は、そのとき、今後のお寺の存続や維持について、危機感を持っていました。私自身も、神聖な場所である『お寺のため』に何ができるかを考えていたところだったので、気持ちがリンクしたのです」

アンカレッジは、熱意を持った者同士の「縁」と、「お寺を守りたい」という情熱によって成り立っているのです。

お寺のベストパートナーとして

「お寺を守る」と一言でいっても、なかなか一筋縄ではいかないものです。
お寺の存続や維持については、当然お金が必要になりますが、寺院維持のための費用を捻出する行為が、どうしても「過剰にお金儲けをしようとしているのではないか」ととられてしまうことも多いのです。

「樹木葬の導入について、お寺様とお話している中で、ひょっとすると、樹木葬のことを『商業主義』だと感じられているのかもしれないな…、と思うこともあります」

こう語った矢島社長は、さらに続けました。

「『お寺にお金が入るから』ではなく、『お檀家様のお墓も含めた、お寺を維持存続するための手助け』のために導入するのだ、と思ってもらえるように、努力しています」
「大切な人や、自分の遺骨という大事なものを、『お寺』や『宗教』という何か大きなものに託すことができる、という安心を、たくさんの人に伝えたいのです」

お寺の住職は、「宗教者」としての立場と、「法人の経営者」という立場を兼任しなければならないのですが、どうしても「宗教者」の方に寄ってしまいがちです。
先述のように、お寺の修繕などのために貯蓄しようとしても、周囲からみると「過剰に利益を得ようとしている」と思われてしまうことが多いためです。
また、お墓を買う方の立場としても、「宗教者」である住職と、「お墓の値段」という俗っぽい話をするのに抵抗があるのではないでしょうか。

「そういったお寺の悩みを解決するパートナーとして、お寺と人々を繋げる架け橋になりたい、と考えています」
そう語る矢島社長。
アンカレッジは、「お寺」という神聖な場所を守るため、また「住職」という宗教者が「布教・伝道」により力を注げるように、常に考えているのです。

お寺と人々を繋げる架け橋に

取材協力
株式会社アンカレッジ
https://anchorage.co.jp/

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