エンディング産業展とは
今年、第9回を迎えた「エンディング産業展」は、「お葬式」などの「エンディング産業」に関するサービスや設備などが、一堂に会する展覧会です。
第1回から毎年見学していた私は、今年初めて「凛咲」としてブース内に入りました。
中から感じた、展覧会の変化をレポートいたします。
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ペット供養関連と、僧侶の関わりの減少
私が見学した「第1回」の頃は、「ペット葬」関連のブースが多く、ブームを感じていたのですが、今回はあまり目立ちませんでした。骨壺にイラストを入れたり、手元供養できたりなど、たくさんの業者がペット供養に参入しようと画策していましたが、あまり根付かなかったのかもしれません。
僧侶や宿坊などのブースも、以前は元気でしたが、近年は減少傾向のようです。エンディング産業展の性質上、「B to C」よりも「B to B」という意識が強いため、一般の方へのサービス紹介は、あまり効果がなかったのでしょう。
「美坊主コンテスト」を行っていた年もありましたが、いつの間にかやらなくなってしまいました。
変わった骨壺や変わった祭壇、リムジンの霊柩車、宇宙葬など、毎年変わらないブースもありました。
近年目立つのは、「葬儀社」や「仕出し料理」「仏具店」「石材店」「生花店」「霊園」といった「もともとエンディング産業にいた方々」に加え、「スーツ店」「小物店」「不動産」といった、「もともとエンディング産業じゃなかった方々」の参入です。
それぞれ「喪服」「手元供養」「空き家問題」などのニーズに応えるべく、それぞれの得意分野を活かそうとしていました。
よく「規模縮小」「内容のマンネリ」などと揶揄されてしまいがちな、近年のエンディング産業展ですが、よく観察していると、世の中の移り変わりを感じることができます。
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「モノ」や「カタチ」から「ココロ」の時代へ
「コロナ禍」を経て、葬儀業界は大きく変わりました。「家族葬」という言葉がひとり歩きして、縮小の一途をたどり続けています。
この流れはもう止まることはありません。我々も含め、エンディング産業の中にいる人たちは、そのことをもう受け止めています。
とはいえ、人々の「供養の心」自体が薄くなった訳ではありません。
むしろ、コロナ禍で「儀式としての葬儀の大切さ」は、大きくなっています。
儀式に参加する人数など、目に見える部分は縮小していくかもしれませんが、これからは「供養の心」とどのように向き合うか、を考えていく展示会になっていくのではないでしょうか。
余談ですが、毎年さまざまな方とお会いできる「エンディング産業展」ですが、見学者としてウロチョロしているより、ブース内にいた方がいろんな方と会えることがわかりました。
お会いできた皆さま、ありがとうございました。
来年も『凛咲』ブースがありますように。
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立正大学仏教学部卒業。東京仏教学院卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。
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