弘法大師御誕生1250年記念事業の一つである「空海 とわのいのり」が、今年国内三か所で開催されるということで、ここより編集部員が東京会場の初日に行ってきました!

オープニング

初日オープニングイベントでは、善通寺法王菅智潤猊下、佐伯行茂僧正、そしてスペシャルゲストの松坂慶子さんが登場。

松坂さんはかつて空海をテーマにした映画にご出演されたことから本イベント登場の運びとなったそうで、トークセッション時にもお大師様とのご縁をとても大切にされていることをお話しされていました。

その後、菅猊下による開白法要が行われ、「空海 とわのいのり」が開幕となりました。

イベントの見どころ

本イベントの見どころを紹介すると、

善通寺の秘仏である「瞬目大師像(めひきだいし)」の複製画が出開帳される
「瞬目大師像」とは、弘法大師が唐に渡る前、母の為に御影の池で自分の姿を写して描いたものと伝えられているものです。
後年、土御門天皇が叡覧されたときに、絵の中の弘法大師がまばたきをされたことから「瞬目大師」の尊号を賜りました。普段は善通寺御影堂奥殿に秘蔵されていて見ることはできない大師像も、複製品ということで、すぐそばで見ることができるのが「とわのいのり」の目玉です。

「⼀字⼀仏法華経序品」と「⾦銅錫杖頭」の複製展示とご加持が受けられる
「仏法華経序品」は弘法大師直筆の書と言われており、これが他の書と違うのは、なんと弘法大師とその母・玉寄御前の合作なのです。
経文は弘法大師が書き、その一文字一文字の隣に玉寄御前による仏様が描かれています。この仏様の雰囲気がとても愛らしくて、一つ一つ表情も顔の向きも何一つ同じものは無いという手の込みようは、日本国内では他に類を見ないものです。



「⾦銅錫杖頭」は、阿弥陀如来とその脇侍による三尊像を中心に据え、仏教四天王である持国天・増長天を配し、裏面は三尊像と、広目天・多聞天を配しています。

イベント開催中は僧侶による⾦銅錫杖頭を使った特別御祈祷を受けることができます。
また、展示されている複製品に直接触れたり、重さを確かめることも可能です。

実物は国宝なので、これほど至近距離から見たり、ましてや触れることなどできないことを考えると、こんな機会はもうないかもしれません。

本物の⾦銅錫杖頭は中国・唐時代の作で、時代的にややエキゾチックな作風がどこか感じられて、どことなくガンダーラ美術風の印象を受けました。
仕上がりも端正で、弘法大師が師である恵果阿闍梨から授かり、日本へ持ち帰ってきたものの写しだと思うと、悠久の時の流れを感じます。

「空海御霊跡お砂踏巡礼」を体験できる

本イベントでは弘法大師の代表的な霊跡の写し霊場を会場に設置。

巡礼地は善通寺・高野山・東寺・神野寺・神泉苑・慈尊院の6つ。
特殊な方法で固めた各寺院の砂場の上に立ち、御本尊様(軸装)に手を合わせて、新しいお砂踏巡礼を体験することができます。

特別巡礼札も会場で売られているので、それを一枚ずつ納めていきながら回るのもアリです。
実際にはなかなか本当の巡礼はできなくても、本イベントで各霊場の仏様とのご縁を結ばせていただくことができるのが嬉しいところですね。

見どころいろいろ

その他にも、LED曲面ディスプレイに映し出される弘法大師の足跡をたどれるムービーや、善通寺の本尊仏である薬師如来が持つ薬壺の実物大レプリカなど、ここでしか見られない展示品もあります。
また物販コーナーでは、本格的な仏具や、大師生誕1250年記念グッズなどもズラリと並んでいました。

特別祈祷絵馬や限定御朱印もあり、そして会期中はお坊様たちがいて、直にいろんな説明をしてくれたり質問を聞いてくれたりもしてくれて、本当に巡礼に来たみたいな気持ちになってしまいます。

関東や九州に住むお大師様のファンや、巡礼をしてみたい人にとっては見逃せないイベントです。

開催情報

●展覧会名/弘法大師御誕生1250 年記念「空海 とわのいのり」

東京開催
●会期/2023年3月8日(水)~12日(日)
●会場/ベルサール飯田橋ファースト
●住所/東京都文京区後楽2-6-1 住友不動産飯田橋ファーストタワーB1
●開館時間/9時~17時

福岡開催
●会期/2023年3月18日(土)~22日(水)
●会場/JR九州ホール
●住所/博多区博多駅中央街1番1号 博多シティ9F
●開館時間/10時~18時

●入場料/2,500円 、(前売り)2,200円
●お問い合わせ/052-446-7014
●公式サイト/https://www.kukai1250.com/

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