昨年に引き続きリアルでの開催
コロナ禍で、しばらくネットでの開催のみだった「ニコニコ超会議」。昨年、久しぶりにリアルで行われましたが、今年も、4/29(土)、4/30(日)の連休に、幕張メッセで開催されました。
僧侶である私は、昨年同様「超テクノ法要×向源」のブースでお手伝いしてきました。
「向源」については、昨年の記事を参照してください。
https://coco-yori.com/News/view/sayama_takuro/8258
昨年同様、「向源」のメインコンテンツのひとつ「お坊さんと話そう」に僧侶ボランティアとして参加いたしました。
「話そう」コーナーには、今年もたくさんの方が訪れてくださいました。
私とお話してくださった方々、ありがとうございました。
僧侶として、伝道の最前線にいることが実感できた2日間でした。
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オタクたちの文化祭
「袈裟コレクション」にも出演した昨年と違い、今年は休憩時間もとれ、他のブースを見学したり、買い物する時間などもできました。
個人的に感動をおぼえたのは、開場の際、10時のチャイムとともに、初音ミクの歌声が会場全体に響き渡り、その音とともに、来場者の方々がガッツポーズとともにダッシュして入場しながら、悦びを表現していたところです。
このお祭りの開催の悦びを、全身で表している人たち。私はそれを見て、「コロナ禍は今、終わったのだ」と感じました。
もちろん、実際に患者が減った訳ではありませんし、持病のある方や高齢者と同居している方などにとっては、依然として注意が必要な状況ではあるでしょう。
しかし私は、国内で初の感染者が出てから3年間、自粛してきたであろう人たちから、この「オタクたちの文化祭」を愉しみたいのだ、という強い意思を感じ、心が震えたのです。
そこには、自分の源へ向かう人たちの「情熱」があったからです。
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自分の源へ向かう
「向源」とは、天台宗僧侶・友光師による造語で「自分の源へ向かう」という意味です。
誰にも、「自分を突き動かす衝動」や、「心が沸き立った瞬間」があったはずですが、いつしか大人になるにつれ、忘れてしまいます。
たまにはその時のことを思い出して欲しい、という思いで、「向源」は名づけられました。
今回の「ニコニコ超会議2023」の開場シーンには、それがあったのです。
「向源」ブースにいたお坊さんや仏師、ボランティアスタッフからはもちろん、その他のさまざまなブースや、コスプレイヤーからも、自分の源へ向かう力を感じました。
居並ぶ「痛車」の数々や、「謎肉ガチャ」に行列する人々。
大相撲や自衛隊のブースからは、「自分たちの行っていることをもっと普及させたい」という思いがあふれていました。
もはやコスプレを超えるクオリティの「ガンダム」もいましたが、「カイジ」からは、逆に「コスプレはクオリティじゃないんだ」というメッセージを感じました。
ちなみにカイジは、まだ星をひとつ残していました。きっとこれから勝負に行くのでしょう。
向源ブースも、さまざまな人で賑わっていました。
私は、人の悩みや相談を聞きながら、「自分がやりたかったこと」について思い出していました。
いま「ここより」で、私がやっていることは、「マンガやゲーム、テレビなどのサブカルチャーを通じ、仏教の教えを広めていきたい」という、私の源にあった思いを具現化したものです。
つまり、「向源」がなければ、今の「ここより」はなかったのです。
感動のなか、「ニコニコ超会議2023」は静かに終了し、「蛍の光」のメロディーに見送られながら、来場者たちは、各々の方角へ帰っていきました。
あれだけダッシュして入場してきた人たちが、帰りは全員、ゆっくり歩いていました。
きっと、自分の源に向かって、力を使い果たしてしまったのでしょう。
また来年も、みんなと会えますように。
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浄土宗僧侶。ここより編集長。大正大学卒業後、サラリーマン生活を経て、目黒の五百羅漢寺へ転職。2014年より第40世住職を務めていたが現在は退任。ジブリ原作者の父の影響で、サブカルと仏教を融合させた法話を執筆中。