供花とは

供花を送る意味

供花(きょうか)とは、お悔やみの気持ちを込めた弔意として、葬儀場に供える生花(お花)のことで、ご遺族や故人と親しかった友人、深い縁のある人が贈るものです。
または、葬儀に参列できない方がご遺族に贈る花のことを指します。
葬儀の場では祭壇の近くに飾られ、死者の霊を慰めるという意味合いもあります。

近年の供花の傾向

落ち着いた傾向から華やかな傾向へと変わりつつある

葬儀の供花として選ばれるのは胡蝶蘭やユリ、菊といった比較的落ち着いた見た目の花が選ばれる傾向が一般的でした。
ですが、近年では故人が好きだった花を選ぶ方や、デザインを重視したアレンジメントを贈られる方も増えています。
また、供花でいただいた花を生花祭壇として使う場合もあります。
これによって会場全体のトーンに統一感を出したり、贈られた供花で生花祭壇の花を増やしたりするもので、祭壇がより華やかなになる上、費用負担を軽くするメリットがあります。
尚、式場内の雰囲気を統一するという意味では、決められた選択肢の中から選ぶという傾向が多いようです。

供花の送り方やタイミング

供花は、お通夜の前に祭壇に飾っていただくため、お通夜が執り行われる前までに、届いている必要があります。
遅くても開式の約3~4時間前あたりを目処に葬儀を担当している葬儀社に依頼いていないと、間に合わない場合があります。
もし、お通夜に供花を送るのが間に合わなかった場合は、翌日の葬儀に間に合うように手配するか、葬儀を終えた後のご自宅の祭壇に飾るお花として、ご自宅に届けてもらうという方法もあります。
その場合は、四十九日までに送るとよいでしょう。

供花の費用相場

供花の費用は一基(いっき)あたり7,500円~20,000円程度が相場です。
二つ分の二基一対(いっつい)の場合はこの倍になります。
最近では一基のみが主流となっています。
ただし、上記の金額はあくまでも目安で、供花は季節によって使用する花も異なり価格も大きく変わります。
お花屋さんによっては割高になるケースもあるため、注意が必要です。
なお、籠やアレンジメントは比較的安価で、スタンドは比較的高価となります。
いずれも、担当の葬儀社と相談して決めるのがよいでしょう。

供花を辞退された場合

供花を手配する前に、ご遺族に送ってよいか葬儀社に確認をしましょう。
全てのご遺族が供花を送ることに対して、肯定的とは限りません。
供花を送ることで哀悼の意を示したいと思っても、ご遺族から「供花は辞退します」と言われる場合や、案内状に「辞退します」と記載されているケースもあります。
その際は、無理に出さないようにしましょう。
相手は何らかの理由があって辞退しているため、無理に送るとご遺族の負担となり迷惑となる場合があります。
どうしても哀悼の意を示したい場合は、後日別の形で気持ちを伝えるのが賢明です。
ご遺族の考えを尊重するようにしましょう。

宗教 宗派別 供花の種類

仏式の供花

仏式葬儀の場合、斎場の規模に応じて、小さめの斎場であれば籠盛りにしたフラワーアレンジメント、広めの斎場の場合はフラワースタンドを一基送るケースが増えています。
悩む場合は、手配・注文時に担当の葬儀社に相談するとよいでしょう。
使用する花は基本的に生花で、白・黄色・紫色・薄いピンクを基調とした菊やカーネーション、ユリ、デンファレなどが一般的です。また、高級感を出すのに胡蝶蘭を入れることもあります。
その他、最近では生花に変わって、ブリザードフラワーという造花を使うこともあります。
尚、バラなどのトゲのある花は、「茨の道」を連想させることなどから、あまり使われません。

神式の供花

神式葬儀の供花も基本的に仏式の場合と変わりません。籠盛りにしたフラワーアレンジメント、フラワースタンドなどが多く、生花を使用しています。
かつては榊(さかき)をお供えすることが一般的でしたが、最近は喪主である祭主が榊を供えし、それ以外の方はお花をお供えることが一般的となっています。
花の種類は、白い菊やユリの花が使われることが多く、白や淡い黄色をベースとしたシンプルな色合いで供えられます。仏式のように胡蝶蘭などを飾ることはあまりありません。
また、神式葬儀でもバラなどのトゲのある花はあまり用いられません。

キリスト教式の供花

キリスト教式葬儀の場合、スタンドフラワーや花輪などを用いることはなく、籠盛のようなフラワーアレンジメントや花束を用います。
また、教会などの葬儀場へ直接送らず、故人の自宅へ送るのが一般的です。
造花やブリザーブドフラワーは使わず、生花を用います。
使用する花は、洋花が中心で仏式や神式で使用される白い菊は使われません。
同じ菊でも小菊やスプレー菊など小ぶりのものを使用するのが一般的となっています。
その他、カーネンションやユリを使用することも多く、白い花に限らずピンクや明るい色の色花も使われます。
十字架やハート型のフラワーアレンジメントを送るのもキリスト教式ならではといえます。
仏式、神式と同様にバラなどのトゲのある花は用いられません。
尚、キリスト教式は名札を付けないのが一般的です。

その他の場合の供花

上記3宗教以外の宗教、例えば新興宗教や単立宗教といった場合でも、供花に大きな違いはありませんが、なかには「樒(しきみ)のみ」といったように、限りがある場合があります。注文する前に、担当する葬儀社に問い合わせてから送るようにしましょう。

宗教別の種類一覧

宗教 形式 花の種類
仏式 籠盛りにしたフラワーアレンジメント、
フラワースタンド
白、黄色、紫色、薄いピンク 菊、カーネーション、ユリ、デンファレ、胡蝶蘭など
神式 籠盛りにしたフラワーアレンジメント、
フラワースタンド
白、淡い黄色 菊、ユリなど
キリスト教式 籠盛り、十字架やハート型にしたフラワーアレンジメント、
花束
白、ピンク、色花、明るい色 小菊、スプレー菊、カーネーション、ユリ

供花の名札の書き方

供花には必ず送り主が明記された名札が付いています。
※キリスト教式の場合、名札は付けないのが一般的です。
そこに書かれている名前から、故人と親交のあった人などを改めて知ることができ、故人を偲ぶという意味でも大切なものです。
また、祭壇へ飾る際に参考にする情報となりますので、注文の際は、故人との関係をはっきりとわかる様にしましょう。

親族・遺族の場合

ご遺族が個人で供花を送る場合は、個人名のみ。
故人の親族、子ども、兄弟や親戚などが連名で送る場合は「◯◯家一同」、「親族一同」、「兄弟一同」や「子供一同」、「孫一同」などと書くのが一般的です。

子どもの場合、一番右から長男、次男、3男というように年齢順に書いていきます。

個人で贈る場合

個人で供花を送る場合は、個人名のみで問題ありません。

法人で贈る場合

会社の代表者から送る場合や部署の仲間たちで送るいずれの場合も、会社名を入れます。
会社名は正式名称できちんと記載するようにします。
正式名称が長く、書ききれないという場合は、株式会社を(株)とするなどの略式で記載することもあります。
部署で送る際には、部署名まで入れて「一同」を付けます。
連名の場合は、右から順に肩書が上の人から名前を書きます。

連名で贈る場合

連名で供花を送る場合は、
・会社関係など、肩書がある場合は右から順に肩書が上の人から名前を記載
・兄弟などの場合は、右から順に年齢が上の人から名前を記載
・友人、同僚などの場合は、順番を気にせず連名で書くこともできますが、「友人一同」など一同とつけてあえて、連名としない方法もあります。

供花を贈る際の注意点

なるべく喪主・遺族に直接連絡するのは控える

供花を贈る際に、喪主や遺族に直接確認するのではなく、担当する葬儀社へ確認するようにしましょう。
供花のこと以外にも、葬儀に関する疑問点など、つい喪主やご遺族に連絡したくなりますが、なるべく避けるようにします。
喪主やご遺族は、悲しみのなか葬儀の準備で忙しく、連絡が負担になることがあります。
相手への思いやりの気持ちを持って、喪主やご遺族への確認は控え、葬儀社と相談しながら供花の手配を行うようにしましょう。

お通夜、葬儀に間に合うように早めに手配する

供花を手配する際は、お通夜や葬儀に間に合うよう、早めに手配するようにします。
お通夜は一般的に夕方に行われるため、供花は当日の午前中までに手配すると安心です。
遅くてもお通夜の開式までには到着するように手配しましょう。

まとめ

通夜・葬儀の際に飾られている供花。

送る頻度は決して多いものではなく、いざ送るとなると分からないことも多々あるかと思います。
送り方や使われる花、宗教によっての違いや喪主・ご遺族の方に迷惑をかけることなく供花を贈り、思いを伝えるにはどうしたらよいか、ご理解頂けましたら幸いです。

故人の最後に寄り添うお花に、これまでの感謝を込めて…。

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