空海が説く密教の教えを伝える古刹

金剛院の赤門

東京・椎名町。
池袋からひと駅電車に揺られ、改札を出るとすぐに徳川家治公から特別に朱塗りにすることを許可されたという金剛院の赤門が見えてきます。

真言宗豊山派の寺院である「金剛院」は、500年(1522)の歴史を誇るお寺です。
境内は、花や緑に囲まれた美しい景観で「花の御寺」として地域の人から親しまれてきました。

創造のご縁を結ぶ「マンガ地蔵」

金剛院の漫画地蔵(ドラえもん)

金剛院のある椎名町は、手塚治虫や藤子不二雄、石ノ森章太郎や赤塚不二夫らが暮らしていた「マンガの聖地」といわれる「トキワ荘」があった地です。

トキワ荘は昭和57年に老朽化で取り壊されてしまいましたが、現在は豊島区によって復元された「トキワ荘マンガミュージアム」があります。

トキワ荘に住んでいた、数々のレジェンドたちと縁を結ぶため、金剛院の境内には、トキワ荘の方角を見つめている「マンガ地蔵」があります。

光背がカブラペンになっており、錫杖の代わりにGペンを持っています。ご利益は「創造の力」で、あきらかに変わりゆく時代あって、「創造」の新しいエネルギーを授かることができます。

寺カフェ「赤門テラス なゆた」

寺カフェ 赤門テラス なゆた

境内に「なゆた」というカフェ寺スを作り、たくさんの「ありがとう」「おかげさま」を感じることのできる次世代カフェを開店させました。

そこでは、子どもたちに「大成塾」「子ども食堂」や「親子保育」「ママカフェ」、若い方々には「寺ヨガ」「和ローソクつくり」「婚活」や「デスカフェ」、シニアには「hula」や「健康体操」「スマホ講習会」「がんカフェ」など、あるいは「コンサート」や「和を楽しむ会」「お坊さんのファッションショー」などワンストップのさまざまなご縁作りをして、お寺が本来持っている「祈り」「学び」「楽しみ」「癒やし」の場として、お寺がハブとなり、点と点を線にして面としていく活動を行ってきました。

お寺とは

金剛院 本堂

どんな方も必ず祈ります。

祈りとは「意に宣(の)る」こと。
自身の純粋な「意識、こころ」をお経という響きで波動で見えない世界へ繋げるのです。

お寺はそもそも不思議なレイライン上に点在しています。
先人たちが機器のない時代に天体の動き等から、宇宙と響き合う感性でお寺を開きました。
ですからそこに「お寺がある」ということは、そこが一番、安心安全な場所であり、それなりの意味があって、この地域に必要な「核」として存在しているのです。

そこで何百年と続いている「祈り」の世界。

その中で、先祖と子孫の「縦のつながり」と、個人と地域の「横のつながり」が生まれ、そのつながりが、人の心に安らぎをもたらすセーフティネットの場がお寺なのです。

長い時間をかけて、日本人が作りあげてきた「お寺」という存在の中に、自分たちの原点を見つけていく場所でもあるのです。

Beingのデザイン

金剛院 ドラえもん 掲示板

いま、私たちの気づかないところで確実に変化が生まれています。
恐らくあと数年もすれば誰もが目に見える形として、その変容を感じることでしょう。

「変わらなければいけないこと」
「変わってはいけないこと」

その選別をしながら、「Being=あり方」をデザインしていくお寺でありたいと語るのは、金剛院33代目の野々部住職さんです。

しかし、まだ期待の多い中で、今年の3月で住職を勇退されると言います。
その疑問をぶつけてみると直ぐに「地位や肩書きが大事な時代でもないし、そこにこだわっていると新陳代謝が生まれてこないので」と言い、「わたしお寺の出張所を創りたいんです」と意外な言葉。

「祈り、愛、慈しむ、生きる、居場所、楽しい、嬉しい、強い、悼む、悲しい、辛い、怒り、弱い、」すべてに「い」のつく言葉がたくさんあります。

そんな人々の「いの物語」を受け止め、「いつか」ではなく「いま」を展開できる居場所作りを通して、ご縁を深める方々を金剛院に繋げていきたいとも語ってくれました。

ようこそ、こんごういんへ。 真言宗豊山派 金剛院 – ようこそ、こんごういんへ! 真言宗豊山派 金剛院 公式サイト

御府内八十八ヶ所、精進料理レシピ、写経・写仏、仏教クロスワードパズルなど無償提供。楽しみながら仏教に親しめるサイトです。金剛院で行われるイベントも多数!ぜひご…

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