仏壇を安置するということ
仏さまをご安置する壇、それが仏壇です。
お寺の本堂では、仏さまのいらっしゃるところを内陣といい、それを各家庭に持ち込めるように小さくしたのが仏壇なのです。
現代の合理主義的な時代において仏壇を迎えるということは、意味を失いがちです。
家庭生活に精神的基盤をつくり、豊かな心を育んでいくために、人生無常のことわりの中で、苦しみ悩んでいかねばならない私たちを救ってくださる仏さまを身近に仰ぎ、「心のよりどころ」となる場所を持つ。先立った方々を仏さまとともに偲び、お礼を申させていただく場所を持つ。朝に夕に手を合わせる中に、自分のいま立っている場所を静かに振り返る時間を持つなど、大切な意味があるように思います。
仏壇が2つある場合
また様々な理由で仏壇を引き取るなど宗派が違う二つの仏壇を安置する場合があるかと思います。仏壇が二つあることがいけないことではありません。
置き場所などの理由で一にまとめることも問題はありません。
ただし、問題となってくるのは、ご本尊の問題です。宗派が違えばよりどころとなるご本尊が違うので、とても悩ましい問題となりますが、ご自身が信仰する宗派に則って仏壇やご本尊や良いでしょう。
あなたや家族の心のよりどころとしての仏壇ですので心安らかな場所となることが大切です。他家の先祖も一緒に偲ぶことで、いま家族のみんなが出遇えている不思議さや、いのちのつながりの尊さに気づかせていただくのも大事なことでしょう。
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立正大学仏教学部卒業。東京仏教学院卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。
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