神奈川県立金沢文庫にて開催中 特別展『密教相承 ―称名寺長老の法脈―』

現在、神奈川県立金沢文庫にて特別展『密教相承 ―称名寺長老の法脈―』が開催されています。

県立金沢文庫に隣接する称名寺には、約2万点の仏教に関する文献が伝えられています。

本展示会では、称名寺の僧侶達が伝授した密教典籍を中心に、数多くの国宝書跡を仏像・仏画・仏具とともに展示し、称名寺と真言密教の歴史を辿っていく特別展となります。

特別展『密教相承 ―称名寺長老の法脈―』のレビューです。

いつもと違う?不動明王并二童子像

展示場は1階と2階に分かれています。

入場してまず最初に目に入るのは、本展の看板にも使用されていた『不動明王并二童子像』です。

不動明王といえば、密教の中でも非常に多くの尊像が作られ、崇められてきた存在です。

しかし今までいくつか不動明王像を見てきた方にとっては『不動明王并二童子像』は一般的な不動明王像とは少し第一印象が違うのではないかと思います。

総髪や巻髪で弁髪を垂らしているお姿の像が多い中、こちらのお像は頭頂に髻を結い、宝冠をつけています。条帛(じょうはく)は纏っておらず、裙(くん)が燃え盛る迦楼羅炎に煽られるようにふわりと空中を流れているその先を鋭い眼光で睨みつけています。

700年前の設営図!伝法灌頂図

2階展示場は、いよいよ称名寺に伝わる国宝書跡がずらりと展示されています。

仏教史、金沢北条氏、密教修法とその成り立ちなどに関心がある方ならまさに宝の山!なのではないでしょうか?

文書は鎌倉公方からの書状から伝法灌頂の修法まで様々。

こちらに展示されている国宝『伝法灌頂図』はおよそ700年前に称名寺で行われた伝法灌頂の設営図です。動線や道具類の配置など細かく指示されています。

また、東密の諸尊法に関して記された図像集、国宝『覚禅鈔』のうち、1階には「不動法」、2階には「愛染王法」が、それぞれ尊像の隣に公開されており、通常では目にすることのできない資料を実際に見ることができます。

弘法大師空海と伝教大師最澄

さらに、2階展示室を出た渡り廊下には、密教がインドで成立してから中国に伝わり、それが弘法大師空海と伝教大師最澄によって日本へもたらされたこと、そしてそこから多くの流派が生まれたことがわかりやすく解説されているコーナーもあります。

その他にも真言宗の法系が空海に至るまでを示す『真言八祖図』(八幅)、『伝法灌頂図』でも描かれていた『十二天像』(十二幅)などの仏画も揃っていて非常に見応えあり!

初心者にはちょっととっつきにくい部分もあるかもしれませんが、金沢北条氏が創建した「称名寺」という歴史を背負った場所を通じて、密教の血の通った歴史の一部を体感する事ができる展覧会でした。

特別展「密教相承―称名寺長老の法脈―」開催情報

●会場/神奈川県立金沢文庫
●会期/2021年12月3日(金)~2022年1月23日(日)まで
●開館時間/午前9時~午後4時30分(入館は4時まで) 
●休館日/毎週月曜日(1月10日を除く)、12月27日~1月4日、1月11日(火)
 ※詳細、その他休館についてはHPにてご確認ください。
●住所/〒236-0015 神奈川県横浜市金沢区金沢町142
●電話/045-701-9069
●公式サイト/https://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

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