現在、東京藝術大学大学美術館にて『みろく – 終わりの彼方 弥勒の世界 −」展』が10月10日まで開催されています。

弥勒菩薩は、釈迦の入滅後五十六億七千万年後に降り立ち人々を救済するとして信仰されている仏です。

今回の展示では、かつてバーミヤン遺跡に描かれていた“青の弥勒”といわれる壁画がスーパークローン文化財技術によって再現されているのが見どころです。

遺跡の数々は2001年に過激派組織によって爆破されてしまいましたが、それ以前に撮られた写真から展示物が再現・作成されています。

もちろん展示物は青の弥勒だけではなく、バーミヤン東大仏天井壁画《天翔ける太陽神》や敦煌莫高窟275窟《交脚弥勒菩薩像》などもあり、当時の人々の技術と情熱が現在の最先端テクニックによって見事に再現されています。

展示カテゴリはガンダーラ・アフガニスタン・中国・日本の4つ。アフガニスタンゾーンで最初に圧倒されるのが『バーミヤン東大仏天井壁画《天翔ける太陽神》』の復元展示です。

部屋の天井いっぱいに東大仏(釈迦牟尼像)天井壁画の再現が広がっています。

絵の中心に描かれているのはゾロアスターの太陽神であるミスラ神、周囲にはペルシアやギリシャの神々が配置され、東西の文化が合流するバーミヤンならではの絵図となっています。

想定復元図なので、撮影された当時の写真よりもかなりはっきりとしたアフガンブルーが目を引きます。

そしてその先にあるのは、今回の展覧会の目玉にもなっている『バーミヤンE窟仏龕及び天井壁画《青の弥勒》 想定復元』です。

青空と流れる雲をバックに、再現された天井壁画が天井岩(再現)ごと展示されています。

結跏趺坐に座した弥勒菩薩が右手に説法印、左手に水瓶を持ち、深い眼差しでこちらを見つめています。

天衣、首飾り、耳飾り、背景に至るまで目の醒めるような鮮やかな青で着色されています。

壁画に使われた青絵の具の原材料であるラピスラズリはアフガニスタンで産出される貴重な石で、今回のプロジェクトでも当時に近づけるためラピスラズリを使った絵の具で彩色されています。

この青こそが《青の弥勒》の所以なのです。

青は空の色、海の色、生命を生み出す星の色、そして宇宙の色。

未来仏である弥勒菩薩は、宇宙の終わりの向こう側、遥か無限の青い世界から、人間の営みをいつか来る“その日”まで見つめ続けるのでしょう。

他にも2~4世紀のガンダーラ彫刻、法隆寺金堂9号壁、復元木造弥勒菩薩立像・弥勒来迎図など、本展を通してシルクロードを辿った弥勒菩薩の軌跡を巡る事ができます。

五十六億七千万年待つその前に、弥勒菩薩へお会いしに行くのはいかがでしょうか。

「みろく – 終わりの彼方 弥勒の世界 −」展
●会場/東京藝術大学大学美術館3F
●会期/2021年9月11日(土)〜2021年10月10日(日)まで
●開館時間/10:00〜17:00(最終入場16:30)
●休館日/月曜日(月曜祝日の場合は開館、翌日休館)
 ※詳細、その他休館についてはHPにてご確認ください。
●住所/〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
●電話/050-5541-8600(ハローダイヤル)
●公式サイト/https://www.mirokuten.com/

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