特定非営利活動法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)理事長 若色信悟氏インタビュー

終末期に「自分らしく生きたのだろうか」と正面から自分に向き合うことは自然なことなのかもしれません。

どんな人にも死はやってきます。
終末期にご自身を振り返った時、「自分らしく生きたのだろうか」「自分らしく終わりたい」
と正面から自分に向き合う事は人間として自然なことなのかもしれません。

人生の後半期についての総合的な暮らしとマネーに関する啓発活動を行っている特定非営利活動法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)の理事長 若色信悟氏にお話を伺いました。

「ら・し・さ」理事長就任のきっかけ

大手ビジネス系専門学校で会計学全般、相続税法、ファイナンシャル・プランニングの教鞭を約20年にわたり執ってきた若色氏。
経験を活かし 日本ファイナンシャル・プラナンーズ協会をはじめ様々な非営利組織の運営を経て、2008年(平成20年)特定非営利活動法人ら・し・さの会員となり、2014年(平成26年)理事長に就任します。



「高齢社会の日本の将来を見据えて『人生の後半期を、その人らしく楽しく充実して暮らすためのお手伝い、そして生活設計におけるさまざまな心配事に対する情報提供で安心の生活を』という理念に共感したのです」と若色氏は語ります。

「ら・し・さ」とは

「超高齢社会の下で、国は社会構造の変化への対応が急務ですが、それと同時に私たちの意識改革も必要です。
個人は長生きすることによって、その間にかかる生活費、医療費、介護費など経済負担にどう対応するかが現代の社会課題になっています。
いわゆる長生きすることがリスクとなりました。
ら・し・さは『人生後半期を計画的に自分の人生を設計する』ことで将来の不安を解消していただくために、さまざまなイベントの企画・運営、情報やツールの提供を行っています。
活動の中でも最も重要視しているのが『ら・し・さノート®』というエンディングノートを書いてもらうことです。
これを記すことで、その人の人的・物的財産を次世代にスムーズに引き継ぐことと、これからの人生を充実したものにすることができるのです。」と語ります。

ら・し・さノート®」とは?

エンディングノートの認知度はかなり浸透してきました。
でも、今すぐ必要になる訳ではないから「いつか書こう」と思っている方もいらっしゃるのでは?そんなエンディングノートについて若色氏は次のように語ります。

「NPO法人のら・し・さの『ら・し・さノート®』はライフプランに根差したエンディングノートの草分けで、これまでの人生を振り返り、財産を把握し、その後のやりたいことや、終末や死後の希望を書きとめておくものです。
人生後半期をどのように生きるか、それが終活で、それをノートに記すことで随分その後の人生は変わってきます。
いつからノートを書いたらよいのかいう質問を受けますが、脳疾患で突然倒れ、また、認知症で判断能力が不十分になってから財産を整理しようとしてもそれは難しいです。
元気で十分な判断力があるうちに書いた方がよく、それによってその後の人生を安心して、穏やかに過ごすことができます。
ノートを書くに当たっては実例や具体的な書き方を解説した『活用ガイド』があり、それを参考にすると分かりやすいと思います。

ら・し・さノート®」の印象的なエピソード

最後に「ら・し・さノート®」に関わるエピソードや活用例を若色氏にお聞きしました。

これは私たちがNPO活動の一環で、「ら・し・さノート®」の活用例を取り挙げた事例ですが、要約してお話します。
父親のエンディングノートを子が書くという例です。

Aさんは、がんで入院中のお父様を看病しているうちに、自分もいつ何が起きるかわからないと思い始めたとのことです。
そんな折、知人から「エンディングノートの書き方セミナー」を紹介され参加しました。
エンディングノートの「親せき・友人・知人の名簿」のページに「もしもの時、必ず連絡して欲しい人に◎を」と書いてあるのをみたとき、次のことを思いついたとのことです。

お父様の命があまり長くないと感じていたAさんは、自分でお父様の関係者の名簿を作り、生きているうちに懐かしい人に会わせてあげたいと。
そして、お父様に代わりに自分がノートを書いてあげようと思い、書けるところから、聞いておきたいところから書いたとのことです。

Aさんは主治医から、お父様の余命が3週間と告げられました。
そこでお父様には気づかれないように友人や親せきに連絡して、お見舞いに来てもらうようお願いしたそうです。
遠方からの昔の友人に会えたことがよほど嬉しかったのか、元気を取り戻し、「葬式なんてしなくていい、戒名もいらない」と言っていたのが、「みんなに見守ってもらいたいな。戒名もほしい」というように気持ちが変わったそうです。
お父様は、余命宣告よりも長く頑張ることができ、最期に「ずっと仲良く暮らしてくれ」と家族に言い残して、天国へと旅立ちました。
Aさんが作成した名簿で関係者に知らせたところ、お葬式には大勢の方々が参列し、お父様の希望通りみんなに見送られて旅立ったそうです。
また、お父様は生前に兄弟たちとあまり付き合いがなかったそうですが、お葬式をきっかけに親戚の交流がはじまり、今では年に一度「いとこ会」を開催するまでになったとのことです。

このように、エンディングノートは本人が書くだけではなく、親のために子が書くこともできます。
親と何を話したらいいか分からないという人も、ノートをきっかけに途絶えていた親子のコミュニケーションが始まるかもしれません。
また、ご高齢になって視力が弱く、書くのが億劫だという場合は、お孫さんにお小遣いをあげて、書いてもらうのも良いでしょう。
思い出話によって、祖父母の想いを孫に伝える効果があるかもしれません。いずれの場合も日付と代筆者名をきちとんと書いておきましょう。

特定非営利活動法人 ら・し・さ 概要

設立 :2003年(平成15年)12月2日
    2016年(平成28年)3月から終活アドバイザーの資格認定と協会運営
所在地:東京都中央区京橋2丁目6番10号 宝照ビル3F
電話:03-6264-4655(平日10時~12時-13時~16時)
Fax:03-6264-4656

若色信悟氏プロフィール

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会教育事業部長を経て、ファイナンシャル・プランナー(CFP®︎/1級FP技能士)として独立。現在、特定非営利活動法人ら・し・さ理事長、若色しんごFP事務所代表、終活アドバイザー、認定承継寄付診断士(1級)。元産業能率大学教員。

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