東本願寺近くの小路に店を構える和菓子の名店。藪内流の家元と考案した『うすべに』

浄土真宗「真宗大谷派」の本山である東本願寺。

宗祖である親鸞聖人の亡き後、親鸞聖人を慕う多くの人々によって御真影を安置する廟堂が建てられたのが始まりです。

2019年には境内にある御影堂、阿弥陀堂、御影堂門、阿弥陀堂門、鐘楼、
手水屋形の6棟が重要文化財に指定されました。

京都三大門のひとつである東本願寺の御影堂門と
世界最大級の木造建築の御影堂は観光名所として高い人気を誇ります。

今回はその東本願寺と縁深い老舗和菓子店の「京菓子司 末富」のお菓子をご紹介します。

伝統の中に革新を織り交ぜた京菓子を生み出す

1983(明治26)年、亀末廣から暖簾分けをして創業した末富は、
これまでに東本願寺や知恩院、妙心寺、唐招提寺など多くの名刹の御用をつとめてきました。

茶道の各御家元との付き合いも深く、
「夢と楽しさの世界」を信条にお客様の好みや意図を汲んだ、
人の情感に訴えかけるような和菓子を作り続けています。

薄い麩焼煎餅の上から透けて見える紅色が印象的な干菓子

和菓子の世界観を広げ、
時代に添った良いところを加えたお客様思いの京菓子を作る末富の代表銘菓のひとつ、うすべに。

これは藪内流の家元と末富の初代当主が考案したもので、昭和15年頃から販売を始めたそう。

しっとりと柔らかな食感とほんのりとした甘さ、そして梅の香りと風味が特徴です。

もともとは茶道で使われる干菓子として考案されたお菓子ですが、
その上品な見た目はお祝い事でお客様をもてなすときの御茶菓子や結納、
顔合わせなどの手土産としても最適です。

世界は人と人とのご縁だけで成り立っているわけではなく、
様々なところに多くのご縁があります。

美しい景色を目にすることも、ひとつのご縁。

些細なことに目を向けることで新たに気付くこともあるでしょう。

たとえば東本願寺にある渉成園の庭園に咲きほこる四季折々の花を思い浮かべながら四季折々の景色に見立てたうすべにをいただいてみる。

これも立派なご縁のひとつ。

ひとつひとつのご縁を大切にして、
日々の生活を楽しんでいきたいものですね。

店舗情報:京菓子司 末富
住所:京都府京都市下京区松原通室町東入
電話:075-351-0808
営業時間:9:00〜17:00
定休日:日曜日、祝日
HP:https://www.kyoto-suetomi.com

商品情報:6枚1,080円、9枚1,620円、12枚2,160円、18枚3,024円、27枚4,320円(いずれも税込み)
賞味期限:製造日から30日

京菓子司 末富 オンラインショップ
うすべに

かろやかな薄い麩焼き煎餅の間に、甘みを添えた梅肉を挟んだ干菓子です。
曙とも、おぼろ夜の桜花、露けき朝に咲き出る槿月下にほのかな紅葉の色、雪をかぶった紅梅とも見える淡紅色は、四季を問わず心をなごませる品位あふれる彩りです。
京の雅な色と味をご賞味ください。

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