年が明けて半月ほど経った1月16日
この日は、仏教行事において少しドキッとする名前で呼ばれています。

それは、「地獄の釜のフタが開く日

恐ろしい名前ですが、実は私たちにとって、とてもご利益のある縁日なのです。
今回は、新年の隠れた重要イベント「初閻魔(はつえんま)」について、その由来やユニークなお参りスポットをご紹介します。



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閻魔様も休みたい? 「藪入り」と「地獄の休日」

死後の世界で、生前の行いを裁判する裁判官「閻魔大王(えんまだいおう)」。
怖い顔で罪を裁く閻魔様ですが、実は1月16日と7月16日だけは、お休みを取る日だとされています。

江戸時代、奉公人が実家に帰ることを許された休日を「藪入り(やぶいり)」と言いますが、これに合わせて地獄の鬼たちも仕事を休み、地獄の釜のフタが開いて、亡者たちも責め苦から解放されると考えられてきました。

この日は、普段は厳しい閻魔様も罪人を許すほど心が広くなっているため、
「お願い事が届きやすい日」
「お参りするとご利益が大きい日」

として信仰されるようになったのです。

嘘をつくと舌を抜かれる? 仏教が教える「誠実」の大切さ

子供の頃、「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるよ!」と叱られた経験はありませんか?

閻魔様が持つやっとこ(ペンチのような道具)は、嘘をついた人の舌を抜くためのものだと言われています。
これは仏教の五戒(守るべき5つの戒め)の一つ、「不妄語戒(ふもうごかい=嘘をついてはいけない)」をわかりやすく説いたものです。

新しい年が始まったばかりの1月。
初閻魔にお参りすることは、自分の心に「今年は嘘をつかず、誠実に生きます」と誓う、良いきっかけになるかもしれません。

実は、閻魔様の正体は慈悲深い「地蔵菩薩(お地蔵様)」だという説があります。
厳しさ(閻魔)と優しさ(地蔵)は表裏一体。
私たちが正しい道から外れないよう、あえて怖い顔で叱ってくれている愛のムチなのかもしれませんね。

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東京の「初閻魔」スポットといえばここ!

1月16日の初閻魔に合わせて、特別な御朱印やお守りを授与しているお寺もあります。 中でも東京で有名なスポットをご紹介します。

「こんにゃく閻魔」こと源覚寺(東京・文京区)

小石川にある源覚寺(げんかくじ)は、「こんにゃく閻魔」の名前で親しまれています。

なぜ「こんにゃく」なのでしょうか?

昔、眼病を患った老婆が、閻魔様に「目が治りますように」と祈り続けました。
するとある夜、閻魔様が夢に現れ、「私の片目をお前にやろう」と告げます。 老婆の目は治りましたが、閻魔像の右目は潰れて黄色く濁っていました。
感謝した老婆は、自分の好物である「こんにゃく」を断って閻魔様に供え続けた……という伝説が残っています。

この言い伝えから、源覚寺には今でもたくさんのこんにゃくが供えられています。
眼病平癒はもちろん、「コン」=「困」厄を落とすとして、厄除けのご利益でも人気です。

【源覚寺(こんにゃく閻魔)】

  • 住所:東京都文京区小石川2-16-2
  • アクセス:東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」より徒歩約2分



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新宿のど真ん中「太宗寺」(東京・新宿区)

新宿御苑のすぐそばにある太宗寺(たいそうじ)には、都内最大級と言われる巨大な閻魔像(高さ約5.5m!)が鎮座しています。

普段は格子越しのお参りですが、1月16日の初閻魔と7月の盆おどりの際には、閻魔堂の扉が開かれ、その迫力あるお姿を間近で拝むことができます。 (※開扉の情報は年によって変更の可能性があるため、事前にご確認ください)

【太宗寺】

  • 住所:東京都新宿区新宿2-9-2
  • アクセス:東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」より徒歩すぐ

まとめ

1月16日は、地獄のフタが開く日であり、閻魔様と私たちが縁を結べる特別な日。

お正月気分が抜けて日常に戻ったこの時期。
「今年も一年、嘘偽りなく真っ直ぐ頑張ります」と挨拶をしに、お近くの閻魔堂へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

怖い顔の閻魔様も、この日ばかりは少し柔和な表情で迎えてくれるかもしれません。

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