再び横浜「妙法寺」へ
昨年も体験した、日蓮宗「妙法寺」で定期的に行われている「地獄VR」。ここよりファミリーで、以前「デスカフェ」にご一緒した「藤井隆英」さんに誘われ、2度目の体験をしてきました。
昨年は、同じくファミリーの向井さんと2人でしたが、今回は藤井さんをはじめ、「デスカフェ」でワークショップを行っていた島田さん、「死の体験旅行」のファシリテーターである浦上さん、緩和ケアの看護師の方、ヨガ講師の方など、大勢の方とともに地獄を味わうことができました。
「地獄VR」についての詳細は、「おまえはどう生きてきたんだ?」日蓮宗・妙法寺で体験「地獄VR」 こちらもご参照ください。
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「禅シェアリング」
VR終了後、参加者たちによる感想のシェアを行いました。
シェアリングから合流した向井さんを含めると、5宗派の僧侶が集まりました。それにより、さまざまな「地獄観」が飛び交いました。
「教義的に、地獄へ行く人などいないと言いたいところですが、自分の力が及ばないところで、どうしようもなくそうなってしまう状態は起こりうる」
「罪悪は自分から引きはがせない。自分では自分を救い難いので、阿弥陀さまの力にすがる」
「キリストと親鸞には共通点が多い」
「昨今、『死』を軽くとらえすぎてしまうようになっていないか。生と死は対極ではなく、続いているもものだと自覚しないと、死にゆく人によりそうことができないのでは」
「人は、人を助けるために生まれてきた。どうやって生きていくのか、そのすぐ裏に死はあるのでは」
「VRというよりは、『懺法会(懺悔する法要)』を目的にリピートしてくださる方も多い。お参りすることで、抱えていた罪が消える思いなのでは。そうやって今を生きる先に浄土がある」
「地獄行きは、社会的倫理による善悪で決まるのではなく、「貪瞋痴(貪りの心、いかりの心、愚かさ)」という『三毒』によるもの。僧侶はそこを説かなければならない」
「私も『三毒』やってる!とドキドキした。自分の懺悔を、線香として燃やして浄化された思いがする。定期的にやりたい」
妙法寺住職・久住上人がご用意してくれた、美味しいコーヒーとプリンを味わいながら、地獄についての話は尽きませんでした。
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来世や死後ではなく、「今を生きる」
浄土宗は「死後を説く教え」だと思われがちですが、「時はいま ところ足もと そのことに うちこむ命 とわのみいのち」という、浄土宗僧侶の言葉も残っています。
「今、ここ」に全力を尽くすことで、現状は変化し、よい方向に転がっていきます。
もし、それでも「自分の力ではどうしようもない何か」によって罪を犯してしまったとするならば、心から懺悔してください。
そうすることで救ってくださるのが、阿弥陀さまであるというのが、浄土宗です。
きっと、日蓮宗も禅宗も、浄土真宗でも、「自分は、今までにどんなことをしてきただろうか」と省みながら、「死」と地続きである「生」と誠実に向き合い、精一杯歩んでいくことが大切であることには変わりないでしょう。
2度目の体験でしたが、新たな発見もたくさんあった「地獄VR」。
きっといつか、3度目の地獄も体験することになると思います。
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立正大学仏教学部卒業。東京仏教学院卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。
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