今年も「ここより賞」を設置していただきました

今年も「輝け!お寺の掲示板大賞」の季節がやってまいりました。
仏教伝道協会のHPで、「ここより賞」も無事に発表されました。
https://www.bdk.or.jp/kagayake2023/publication.html

2023年「ここより賞」はこちらです!



『        
    疲れたらひと休み 
   休んだらまた一歩
               』

撮影者 la source de vie@1947_2016
寺院名 潮泉寺(浄土宗・東京都文京区)

講評:この数年、私たちは感染症の危険に晒されながら生活をしてきました。「ひと休み」も大事なことですが、「また一歩」という言葉から、疲れやストレスの中でも動かなければならない人へのエールを感じ、選出しました。

大賞は、東京都の日蓮宗寺院「妙円寺」の「ことばだけ立派な者は敵である」でした。
他部門も、よい言葉が盛りだくさんですので、ぜひHPを確認してみてください。

それでは今年も、「ここより賞」選考のようすをレポートいたします。

「ここより賞2023」選考委員

佐山拓郎
玉置真依
平井裕善
雫有希
増田俊康
友光雅臣
松崎斉子
向井真人

チーフ・エディター 佐山拓郎
高野山真言宗 玉置真依
浄土真宗本願寺派 平井裕善
浄土宗 雫有希
真言宗豊山派 増田俊康
天台宗 友光雅臣
浄土真宗 松崎斉子
臨済宗 向井真人

以上、5宗派8名の僧侶で話し合いました。

「ここより賞」選考のようす

松崎斉子

最初に、さとる(松崎さん息子)から伝言を受けています。『熱中症にご注意』に一票

玉置真依

あはは、確かに。暑かったですもんね、今年

佐山拓郎

では仕切り直して。選考ポイントについて、各々発表していきましょう。
まず私から。
昨年も同じだったのですが、なるべく説教くさくないものがいいな、と

松崎斉子

でもそれって、『お坊さんだから』だよね。
一般の人にとっては説経くさい方が響くかもしれない

佐山拓郎

なるほど確かに。
ぼくが説教されたくないだけで、されたい人もいますもんね

平井裕善

掲示板ブームもあって、住職のウケたい感が出てきてる気がするので、それを避けたいですね

佐山拓郎

ありますよね。住職の自己顕示欲。
若者がドヤ顔で引用してるやつとか、年寄りがカッコつけてるやつ

平井裕善

…そうですね(そこまで言ってない)。
推薦したいのは『咲いているのは今だが、いま咲いたのではない』とか

佐山拓郎

いいですね。気づきの文

雫有希

私は、絶望的に病んでる人基準です。
占いもやってるので、シンプルにわかりやすく刺さるもの。
そういう意味で、ネコ坊主さんのやつがいいですね。
『そばにいて楽しいと思う人ではなく、はなれていて淋しいと感じる人にしなさい』

佐山拓郎

おお、占いの答えっぽい

雫有希

占いでも傾聴して、『南無阿弥陀仏』に近いことを言うのを心がけています

玉置真依

私は今回、余白を感じるものに惹かれました

佐山拓郎

なにも貼ってない掲示板の写真ありましたよね。行事予定だけとか

玉置真依

(それはちょっと違う気も…)
…心がいっぱいの時でも、瞬時に入ってくるというか、書き手の愛が伝わってくるものがいいですね

増田俊康

やはり手書きがいいですよね。イラストつきとか

佐山拓郎

いつもたくさん投稿がある『超覚寺』さん、手書きなのはいいんですけど、横書きなのがちょっと気になるんですよね

増田俊康

知り合いなので、今度言っておきます

佐山拓郎

あ…、なんかスミマセン

友光雅臣

(プロテインを飲みながら)ぼくは特に基準はないです。
掲示板って、受け取る側のコンディションによりますよね

佐山拓郎

なるほど

友光雅臣

コンビニに掲示板はないけど、お寺にはある。
これっていい事だよな、と。
スターバックスのラテアートに近いのかな。
それを坊さんがやることに意味がある

佐山拓郎

確かに!お坊さんからメッセージもらうと嬉しいかもしれません

友光雅臣

『一番話したいことは、一番話せないことだ』とか『生きる意味なんて、なくていい』がよかったですね

雫有希

カウンセリングでも、そういう言葉を求めてる人が多いんです

友光雅臣

『生きる理由はこうだ』という内容のものもありましたが、短い文章の中で同じことを言っているのだと思います

松崎斉子

私はじっくり読むタイプではないので、感覚で。
仏教とか関係ない人がみて、うなずけるかどうかですかね

佐山拓郎

われわれ、どうしても坊さんの目線になってしまいますもんね

向井真人

私、結婚相談所をやってるんですが、すごく殺伐とした世界なんです。
人の条件を突き詰めたり、他人をジャッジしたりしてると、どうしても荒んでくる

佐山拓郎

なるほど。興味深いですね

向井真人

『どうしたらいいか』とか『後悔せず、選んだ道を正解にしていく』ことが大切なんだと、あらためて気づかされます

佐山拓郎

浄土宗でいう『選択(せんちゃく)』ですね

向井真人

『相手に与えることは、私もいただくことである』とか『疲れたらひと休み。休んだらまた一歩』がよかったです

佐山拓郎

『疲れたら~』は、ドングリやトンボの絵もいいですね

玉置真依

『余白いのち』の観点からも、そういう細やかな気づかいに惹かれます

増田俊康

絵が使われているのって、今年の特徴かもしれないですね

佐山拓郎

疲れたら休んで云々、というのは昨年もありましたね

向井真人

時代がそういう流れなんでしょうね

佐山拓郎

では、今年の『ここより賞』は『疲れたらひと休み。休んだらまた一歩』ということにしましょう

意義なし!

玉置真依

4000を超える投稿から選んでる時には目にとまらなかったものに、あらためて『じーん』ときたり、全員の好みが割とバラバラだったのも、なんかよかったです

佐山拓郎

そうですね。来年は、月島のお寺で選考会して、終わったら平井さんにもんじゃ屋さんを案内してもらいましょう

平井裕善

まかせてください

佐山拓郎

では皆さま、来年もよろしくお願いいたします


各受賞作品はこちら↓

関連記事【編集部から】

編集部から
映画「カオルの葬式」 本日より全国順次ロードショー!New!!
編集部から
国内初!お墓のテーマパークがオープン「現代墓所墓石テーマパーク」
特集
いま、お寺が「樹木葬」を導入する意義とは? (株)アンカレッジに聞いてきました!
書籍紹介
高齢の親御さんをもつ100人に聞きました!「親とマジメな話、できますか?」|「凛咲vol.3」抜粋シリーズ#3
ファミリーから
第2回「宗教メディアサミット」のダイジェスト動画が配信開始!
法話&コラム
自分で道を選んだその先に「わたし」はいる|お坊さんによる【「虎に翼」法話】