僧侶より瀬戸内寂聴さんのご遷化によせて プロレスラーと尼僧の立場から考えました 雫有希 ここより

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僧侶より瀬戸内寂聴さんのご遷化によせて

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雫有希

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浄土宗

2021-11-17

僧侶より瀬戸内寂聴さんのご遷化によせて - プロレスラーと尼僧の立場から考えました

プロレスラーと尼僧の立場から考えました

11月9日、瀬戸内寂聴さんのご遷化のニュースが流れました。
この場を借りて謹んでお悔やみ申し上げます。

さてご縁をいただきました瀬戸内寂聴さんについて私から書かせていただくことになりました。
ここで一つお断りしたいのは、宗派も違う尼僧様ですし、面識すらない方ですので、瀬戸内寂聴さんの思想や、宗教観につて話すことは致しません。

あくまでも曲がりなりにも尼僧であり、プロレスラーとして様々なメディアに出たことがある人間としての意見だと思ってください。


世間一般では瀬戸内寂聴さん=尼僧さん(女性のお坊さん)
というイメージがあると思います。

今でこそ、女性の僧侶は、そこまで珍しくはない存在ですが、瀬戸内寂聴さんがメディアに出始めたころ、女性の僧侶は本当に珍しい存在だったと思います。
ましてや当時、剃髪をした女性がメディアを通してたくさんの方の前に出るわけですからかなりのインパクトがあったのではないでしょうか。
私も幼少時代瀬戸内寂聴さんをテレビで見て衝撃を受けた記憶がございます。

私が、誰か人に尼僧であることを告げると「瀬戸内寂聴さんですか?」と聞かれる確率はかなり高かったです。

私の母も尼僧ですが、尼僧になりたての頃は「瀬戸内寂聴さんを目指して頑張ってください」とよく言われていましたし、お檀家さんのおばあさんで、痴呆症の方がいたのですが私の母や私を見かけると「寂聴さんこんにちは」という方もいらっしゃいました(笑)


このように、尼僧という一般的な認知度を上げたのは瀬戸内寂聴さんで間違いないです。


では、今回、敢えて、瀬戸内寂聴さんをプロレス的なセルフプロデュースの視点から、お話しさせていただきます。

プロレス界においても、その他、人に知ってもらうことが必要な職業は、「代名詞となること」が非常に重要です。
私は占い師という肩書もありますが、実力よりもキャラが先行して人気が出ることもしばしばありますし、それはプロレス界もしかりです。

人の記憶など、そうはすべて覚えられるわけではありません。
そうなりますと、数ある同業者の中から、しっかりはっきり覚えてもらうことはかなりの至難の業なのです。でも売れなければ生活はできない。やりがいだけは正直きれいごとです。それがプロ。


つまり、売れるためには、たくさん数いる人の中から○○といえばこの人!とぱっと出てくる「一撃の破壊力なるインパクト」が必要になります。
でないと売れません。上に行けません。
それが人前に出る仕事をする人間の定めです。


その「一撃の破壊力なるインパクト」を探し求めて、我々プロレスラー(占い師もしかり、個人事業主全般)は必死に日々、人と違い自分にしかないものを探し、自分の売り文句を考えているのです。


しかし、代名詞になる「一撃の破壊力なるインパクト」を持つということは、当然賛否もでます。
ですが、話題にすらならない、議論の机にすらのらない人は、賛同してくれる人すら集まってこない。
つまりノーリスクノーリターン。
故に賛否の「否」も多かったかもしれません。


光が強い場所こそ、闇もまた強いように、目立つ脚光を浴びるのは確かに人間気持ちのいいものではありますが、批判も必ず出てきます。
私もプロレスと僧侶なんて出たての頃はメディアも注目しましたが、批判や脅迫も多々ありました。
私程度でもずいぶんでしたから、瀬戸内寂聴さんはあれだけ有名でしたから、その分「否」なる部分も多かったのでないでしょうか?

現在SNSの誹謗中傷が深刻な社会問題となってますが、世間から「否」を唱えられるの結構つらいです…
それを考えると瀬戸内寂聴さんが受けたであろう「否」の部分は想像を絶します。
(声を大にして言いますが有名人だからと言ってSNSで批判をしていいと言ってはいません。)


瀬戸内寂聴さんはずいぶん前から「ブランディング」を実現なさっていたと思いました。


尼僧という存在を一気に世間に浸透させ、その先にある栄光とリスクを我々に見せてくださった、光の裏には必ず闇があるということ…
人生を通してお伝えしてくださったのではないでしょうか。

もしこのコラムを読んでいる方で「有名になりたい」と思っている方がいましたら、寂聴さんの「一撃の破壊力なるインパクト」と「有名になった分だけのリスク」をよく知ったうえで、もう一度自分自身を掘り下げてみてください。


ただ…個人的には、可もなく不可もない人生は好きじゃないかも。
だって私は尼僧である前にプロレスラーですから(笑)




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