シリーズ最大の「選択」を迫られるドラクエ5。

「ビアンカ・フローラ論争」は、ゲームの発売から30年近く経った今でも、
ファンの間で語られ続けています。

リメイク版では、デボラという新たな花嫁候補も出てきて、プレイヤーをさらに悩ませることになりました。

浄土宗では、自分で道を選びとることを、最上の幸せだと考えており、
それを「選択(せんちゃく)」という言葉で表しています。

浄土宗の開祖・法然は、幼少時に、父親を目の前で殺害されています。

ドラクエ5の主人公と同じです。

そのため法然は、当時主流だった、学のある人やお金持ちのための仏教だけではなく、
戦乱の犠牲者である孤児や未亡人、身寄りのない老人ら、
万人のための仏教を「選択」しました。

厳しい修行や、学問を究めることが難しい人でも
「お念仏を一心に唱えれば、必ず浄土へ往生できる」とし、
念仏の教えを大事にしました。これが浄土宗の成り立ちです。

人は、さまざまな岐路に立つ中で、勇気をもって決断し、「選択」します。

それは、自分の希望を叶える、第一歩につながります。

「幸せ」は「選択」から始まるのです。

ビアンカ派もフローラ派も、はたまたデボラ派も、悩みに悩んで「選択」するでしょう。

どんな選択でも、自分の意志で選びとった、という事実が尊いのです。

自らの希望の実現につながる道を「選択」し、
選び取ったあとは、勇気と信念を胸に、その道を歩んでいくのが、人生です。

選んだ道を、誠実に歩んでいくとき、その道に仏さまのお計らいがあります。

だから、誰と結婚するかで、ケンカしてはいけないのです(笑)
その人が、その人なりの理由をもって、必死に選んだ道なのだから。

大事なのは、そのあと花嫁を大事にしたかどうかです。

ビアンカとの思い出を。

フローラの優しさを。

デボラのツンデレを。

それが、自分(主人公)の人生を大事にすることにつながります。

人から言われた意見で決断をしてしまうと、後悔につながりやすくなります。

人の意見は、あくまで参考にとどめておいて、
大変でも、時間がかかっても、「自分で」選択することが大事なのです。

※筆者が誰を花嫁にしたか聞きたい方は、個人的に聞きにきてください。

写真協力
https://pixabay.com/ja/users/antranias-50356/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=892312

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著者紹介

鶯 蒼治郎
謎の浄土宗僧侶。
その正体は闇に包まれているが、以前は目黒で活動していたS山T郎ではないかとも言われている。
《著書》
三笠書房・知的生きかた文庫より『流されない練習』発売中
《関連情報》
根岸・西念寺にて「ドラクエ法話」不定期開催
西念寺ホームページ:http://sainenji.tokyo/