
お坊さんに聞いてみた
人生の悩み、幸せ、仕事のこと
大学生の悩みは尽きない
前回好評をいただいた、「ここより編集長が大学生の疑問に答える」シリーズの、第2弾をお届けいたします!
帝京大学経済学部1年生たちの、質問・疑問・悩みなどなど。ひとつひとつに、真摯に向き合ってきました。
どうぞご覧ください。
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人生の悩み
挑戦する勇気が欲しいときや、失敗した後に前向きな気持ちを取り戻したいとき、普段からできることはなんですか?
エジソンは「失敗したのではない。うまくいかない方法を見つけただけだ」という言葉を遺したと言われています。
最終目標を忘れないようにして、「今度はこうしてみよう」と、楽しみながらチャレンジできるといいですよね。
縁を広げるためには、どのようなことをしたらいいですか?
面倒がらずに、外に出かけていくといいと思います。
今は、家にいながら人と繋がる事もできますが、実際に対面しないと生まれないものもあると思っています。
自分で選んだ道が信じられなくなった時、悩んでしまった時、どうしていいか分からなくなってしまった時、どうすればよいですか。
自分で道を選ぶという事は、選んだ道に責任をもつ、という事です。
もしそこに責任をもちづらくなったのなら、道を引き返し、選び直せばよいと思います。
お釈迦さまは「自灯明、法灯明」と仰いました。「まずは自分を信じろ。自分がわからなくなったら、法に立ち戻れ」という意味です。道を選ぶため、自分なりの指針を見つけてください。
挑戦する時、どうしてますか?
「挑戦」だと気負わず、「やっとかないとな…」くらいの気持ちでスタートしてます。
将来のことを考えるのが怖くて、いつも考えないようにしてしまいます。どうしたら怖いという思いがなくなりますか。
仏教では、過去も未来も頭の中にしかない、という考え方をします。努力で変えることができるのは「今」だけだからです。
でも逆に言うと、「頭の中」には「未来」が残っていることになります。未来の事が不安で怖い、と思うのは自然なことです。まだ誰も経験していない事だからです。
「みんな怖いんだ」と思いながら、少しでも不安が減るよう、今できることを精一杯行ってください。
心が強くなったきっかけ、方法などがあれば教えてください。
「心を強くしよう」と思って行動していた訳ではなく、会社勤めをしているうちに、なるべくしてなった感じです。
佐山さんの中で、「変えてはいけない軸」はなんですか。
「自分は仏教徒である」ということです。物事の判断軸は「そこに仏教性があるのか」です。
適当に生きるのは悪いことだと思いますか。
まったく思いません。真面目すぎず、柔らかすぎず、「良い加減」で生きてください。
お坊さんに聞きたい!
クリスマスやハロウィンなどのイベントに参加するんですか?
もちろんしますよ!私が子供の頃は、ハロウィンはまだメジャーイベントではなかったのですが、クリスマスは毎年祝っていました。両親に感謝です。
他宗派や、他の宗教について学ぶのも、大事なことなのです。
お坊さんになってから、サラリーマン時代にツラかった経験が生きた事はありましたか?
会社員時代がツラすぎたので、基本的に身体はラクになりました。
自分が頑張れば、その日の仕事は終わるし、そもそも「必ずその日に終わらせなければならない仕事」なんてめったにないし、顧客から理不尽に怒られることもないので。
ネットの時代になり、お坊さんの仕事に変化がありますか?
基本は人と直接会って行う事の方が多いですが、オンラインで相談を受けたり、卒塔婆の申し込みをメールで受けたりする事も多くなりました。
「hasunoha」という、お坊さんが相談にのってくれるサイトもありますよ。
お坊さんは、みなさん、お経を暗記しているものなのですか。
すべてのお経を暗記している人はいないと思います。自宗派でよく使うものは暗記している人もいるかもしれませんが。
私は、覚えているお経でも、経本を読みながら「読経」しています。文字を読むことも功徳になるからです。
収入はどこから来るんですか
「寺院住職の収入」という意味だと思うので解説します。
住職の収入は、寺院という宗教法人からの給与になります。なので、一般サラリーマンと同じく、そこから所得税や住民税、保険や年金などが引かれます。
寺院の収入は、葬儀や法要などのお布施や、塔婆や御朱印などの実費などがあります。
宗教法人は税制で優遇を受けていますが、その代わりコロナの時のような助成金などが受けられない規則になっています。小さな寺院にとっては厳しい出来事でした。
お葬式や法事がない時は、どのように過ごしているのですか。
他のお寺のお手伝いや、塔婆など法要の準備、お参りに来る方とのコミュニケーション、過去帳(亡くなった檀家リストのようなもの)の整理、収入支出の管理、墓地の草むしりや境内の清掃などです。
小さな寺院ならさほど大変な仕事ではないですが、大きい寺院だと、住職ひとりではなかなか難しいと思います。
仏教で最も大切なのはなんですか。
ひと言では難しいですが「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」という「三宝印」を柱にしています(詳細はググってください)。
「四諦」「八正道」「六波羅蜜」のように、数字でまとめられている教えもありますが、最も大事なのは「中道」という、「どちらにも偏らない心」だと思っています。
お坊さんが制限されている宗教関連のコンテンツはないのですか?
特にないです。聖書を読んでもいいですし、「幸福の科学」の映画を観ても問題ありません。怒る人はいるかもしれませんが、本人の自由です。
頭を丸めるのはなぜですか。
髪の毛が「煩悩」の象徴だとされているからです。
私も、会社員の頃は髪を伸ばしていたこともありましたが、もう長髪には戻れません。今がラクすぎて。
財布供養やビアガーデンなど、普通じゃない思考はどこで養われたのですか?
お釈迦さまが出家した理由が「なぜ生まれながらにして身分が決まっているのか」という疑問からだったことを逆にとらえて、「仏教徒だからって、やってはいけない事などない」と考えたからです。もちろん法に触れること以外で。
あとは「どうしたらもっとお寺に人が呼べるだろうか」という問いと、当時勤めていた寺院のストロングポイントを結びつけたら、自然に生まれてきました。
お坊さんは婚活できるのですか。
できます。というか、後継ぎを求められる事も多いので、檀家さんから勧められる事などもあります。
オカルト的な事態に遭遇したことはありますか。
亡くなった人は、全員浄土に行くと思っているので、ありません。
心霊写真や、「霊障」があると相談を受けた時は、先祖供養を行うようにしています。
もし本当に「霊」のような存在があるとしても、きっと阿弥陀さまの方が強いからです。
サブカル好きに聞きたい!
『ドラゴンボール』のほかに、好きなマンガはありますか。
子供の頃から『キン肉マン』が好きです。なんと今でもwebで連載が続いてるんですよ。
最近読んだ中では『ブルーピリオド』が良かったです。青春っていいな、と思いました。
『SLAM DUNK』の「あいつも3年間がんばってきた男なんだ。侮ってはいけなかった」の他に、好きなマンガの名言はありますか?
「この世に生をうけて、貴様のような奴らになめられっぱなしじゃ、生きてる甲斐がねえんだよ!」(テリーマン)
「ディアスよ、おれは天才じゃないが、あの大空翼と互角にわたりあった男だぜ」(松山光)
スラムダンクで好きな登場人物を教えて欲しいです。
木暮くん、魚住、田岡監督、仙道などです。「ラン&ガン」の北野監督も好きです。
最近お出かけした場所はどこですか。
なかなか出かけられないですが、建て直された「神保町三省堂」には行ってきました。
本が好きになるきっかけとなった作品はありますか?
小学生の頃に読んだ『ズッコケ三人組』シリーズです。「冒険」「挑戦」「恋」「挫折」「成長」などの要素がすべて入った名作ぞろいです。
江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズも好きでした。
最も影響を受けた本はなんですか。
いろいろありますが、一番影響を受けたのは『週刊少年ジャンプ』ですね。あの頃の。
あとは手塚治虫の『ブッダ』。漫画以外では、北方謙三の『水滸伝』です。
いちばん好きなドラクエシリーズはなんですか?
最近出た「ドラクエ2」のリメイク版も良かったですが、なんだかんだ「11」ですかね。
日本のアニメには、神様や死後の世界がよく出てきますが、仏教の視点から見ると、どのように映るのですか。
キリスト教のような概念の「天国」に行く事を決めるのが「閻魔大王」だったり、様々な宗教の観念を合わせて描いている事が多いので、興味深いです。そのような、日本人の宗教観の元になったのはなんだろうな…、と、よく考えます。
大学生として聞きたい!
社会人になった時に、自分を追い込み過ぎず、気を楽にして働いていくためには、どのようなモチベーションでいればいいですか?
「家に帰れば〇〇がある」と、仕事が終わってからのことを思いながら、適当に働いてください。「〇〇」の部分は「アイス」でも「ゲーム」でも「お酒(まだダメか)」でも「彼氏」でも、なんでもいいので。
最悪「辞めたって、他に働き口はあるんだ」と思うだけでも、だいぶ気がラクになります。
私の時代と違って、今や、転職先なんてあっという間に見つかるので、「いつでも辞められる」と思いながら「良い加減」で仕事してください。
人間の可能性は無限ですか?
無限は言い過ぎですが、「限界がある」と思わずに行動する方が、結果として遠くに行ける気はします。
いま、仕方なくこの大学に通っているので、編入や浪人を考えることがありますが、佐山さんならどう行動しますか。
どちらにしてもお金がかかる事なので、両親と相談し、「自分は何を成し遂げたいか」を考えます。この場でもできる事であれば留まるし、環境を変える必要があれば、お金の相談をします。
就職・転職について聞きたい!
お坊さんになる直前、それ以外に就くことができた職はありますか?
取引先だった会社からの誘いや、元の会社からの引き留めもありましたが、それ以上に「会社員から逃げ出したい」という気持ちが大きく、お寺に転職することになりました。「逃げてきた」という表現が近いと思います。
もし仏教系以外の大学に進学していたら、お坊さんになっていましたか。
就職は出版系を目指していたと思いますが、実家が寺院であるため、どこかで僧侶にはなっていると思います。
ただ、仏教系以外の大学に入れたかどうかは微妙です。受験勉強をほとんどしない奴だったので。
いかがでしたでしょうか。学生たちの「単純な疑問・質問」もありましたが、「未知の世界への不安・おそれ」や「期待」を思いっきりぶつけられた感覚があります。
これでもまだ、紹介しきれていないものもありますので、またの機会にご紹介いたします。
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立正大学仏教学部卒業。東京仏教学院卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。
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