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天袋の中は祖父の香炉や破損した食器など、切ない現実がぎっしり
ふと、古の茶人をも魅了した「金継ぎ」を思いついた。
頼ったのはナカムラクニオ氏。
美術家であり、日本のみならず世界中に金継ぎの魅力を発信する方だ。
自己流で試みるも限界。ナカムラ氏の元へ
いまだ終わりが見えない実家の片づけ。断捨離ならば手っ取り早く、進むスピードも速い。
しかし、90オーバーの母から「廃棄業者」扱いされないよう心掛けると、遅々として進まない。
今回は、かねてから気になっていた天袋に着手する。
天袋のトビラを開けると桐箱に入ったままの祖父の遺品の香炉や茶碗、両親が購入した器など、驚くほどの点数を発見。
割れた香炉などは「捨ててしまえ!」といいたいが、ここは我慢。金継ぎを思い立ち、挑んでみることにした。
何点か自宅に持ち帰り、東急ハンズで購入した「金継ぎセット」でトライ。完成品を母に見せたら渋い顔に。たしかに、あちらこちらに難ありの仕上がりだ。
結局、検索。ナカムラクニオ氏を知る。しかも金継ぎ初心者でも参加可能な「金継ぎ短期集中講座」を開催なさっているではないか!
早速、講座に申し込んだ。
母に伝えると、持ち帰った器より「これをやって!」と朝食の時に愛用するパン皿を渡してきた。
実家の片づけにはすぐさま直結しないが、この皿を含め、金継ぎの候補になる器を抱えて、講座の会場となる荻窪「6次元」へ向かう。
世界が注目する、日本発のクールな文化へ
そもそも金継ぎのなんたるかもよくわからず、トライしていた。まずは基本から学ぼう。
縄文時代には、すでに修復の手法があったといわれるが、金継ぎが現在と同じようになったのは今から400年以上前。室町時代、安土桃山時代あたりという説が有力だ。
当時は貴重な茶碗などに施され、大名や茶人たちは継ぎの修復部分に美を見るようになった。茶道の隆盛とも相まって、金継ぎされた器を、新しい命が吹き込まれた「景色」と捉え、好んだのだ。
ナカムラ氏の著述にもあるが、世界の各地を旅し、それぞれの国で、それぞれの修復方法は発見できたが、日本のように修復跡を愛でる志向はないそうだ。
金継ぎは、世界の人々を魅了する日本を代表するカルチャーに発展。世界でも「Kintsugi」と呼ばれ、映画、音楽、スポーツブランドなどの分野にも影響を与えている。
日本でも再認識され、氏が主宰する講座は開講するたびに満員。
また、身近なものへ自分で施すことがトレンドになっている。割れたり欠けたりした愛用のマグカップや皿を持参して、学びに来る人が多いという。
図らずも母が私に託した皿は、時流にうってつけだ。
気になるこの後は、『凛咲vol.2』で!
「ライターえつこ姐の実家の片づけ奮闘記!その2」の今後の見出し
・金継ぎの魅力を知ろう!
・そもそも金継ぎとは?
・応用編の呼継ぎ(よびつぎ)とは?
・金属の素材により色味が異なる
・アドバイスを受けながらスタート!
・ダメ出し、失敗の連続!冒頭から心が折れそう
・完成したときの喜びは絶大だ
・母へのメッセージを込め、金継ぎの器に銘をつける
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立正大学仏教学部卒業。東京仏教学院卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。
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