今年1月、ここよりファミリーの海野峻宏さんが、群馬県邑楽郡の、千代田町という小さな町に、宿泊施設をオープンさせました。
宿泊施設のなかった千代田町で、「寺泊(てらはく)」を始めた意義や、今後の展望について、海野さんに聞いてみました。
宿泊しながら「禅」の心を感じる
黄檗宗寺院「宝林寺」の副住職である海野さんは、寺院だけにとどまらず、地域の活性化など、さまざまな活動を行ってきました。
お寺の離れにある平屋が空いてしまい、なにかに利用できないかと考えていた海野さん。折からの「インバウンドブーム」なども重なり、「寺泊」の構想はスタートしました。
それから3年の月日を経てオープンしたのが「TEMPLE STAY ZENSŌ」です。
「『宿坊』では、少しイメージが固くなってしまうので、あえて『寺泊』と呼んでいます」と語る海野さんですが、禅僧ならではのこだわりポイントもふんだんに詰まっています。
ZEN「禅」とENSO「円窓」をかけ合わせたZENSŌには、「禅僧」「禅荘」(禅の宿泊施設)といった意味が込められているそうです。▢から1つ角が取れると△になり、全く角がなくなると◯になる。禅をシンプルに表現した◯△▢がロゴデザインに起用されています。内装のいろいろな部分で〇や△、□が用いられています。
宿泊しながら、「禅の心」にふれることができるのです。
坐禅や写経などの仏教体験はもちろん、こだわりのコーヒーも
「TEMPLE STAY ZENSŌ」には「ココロにいいこと」や「カラダにいいこと」があふれています。
1日1組限定の、一棟貸しという贅沢空間。静かな環境の中で、坐禅や写経体験が可能です。
また、希望すれば、僧侶が「悩み相談」に答えてくれますし、「法話」を聞くこともできます。
料理の提供はないのですが、キッチンや、屋外のBBQ台、そしてピザ窯を使用することができるため、食材を持ち込み、さまざまな料理を楽しむことができます。
庭でとれる季節の作物を採ったり、焚き火を楽しんだりもできる、豊かな空間です。
ペットと一緒に宿泊することもできますよ。
また、仏教用語の名がついた、こだわりのコーヒー豆も部屋についています。
「三昧(ざんまい)」は、心を集中し、動揺しないこと。
「洗心」は悪心を洗い清めること。
「喝」は雑念をはらい、迷いを消すこと。
珈琲の手引きを見ながら、ハンドミルで丁寧ご自身で豆を挽き、そのプロセスを感じることでより一層深い時間、味わいを楽しんでみてください。
「寺おこし」から「町おこし」へ
「車で20~30分圏内に『足利学校』や『あしかがフラワーパーク』などの観光スポットもあり、群馬県全体を楽しむこともできます」と海野さん。
近隣には食堂や居酒屋などもあり、「まだまだ、地域とコラボして魅力を増していきたいですね」と語ります。「4月には、コストコもできるので、食材などの買い出しも便利になりますよ」
「TEMPLE STAY ZENSŌ」は、「お客さまに喜んでいただくこと」「お寺の資源の有効活用」に加え、「千代田町の町おこし」という役割も負っています。
「ゆくゆくは、空き家の問題の解決などにもつなげられるよう、この寺泊を盛り上げていきたいですね」
そう語ってくれた海野さんの目は、千代田町の明るい未来を見据えていました。
ホームページ:zenso.horinji.or.jp
予約サイト:https://washimo-booking-engine-prod.web.app/landing-page/255
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立正大学仏教学部卒業。東京仏教学院卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。
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