思い出の日々へ時間旅行。写真にこだわる「東京印書館」の「デジタルリマスター」とは

 昔のことを思い出すという行為は、人間の脳にとって「どこかへ旅行する」のと同じ効果がある、と聞いたことがあります。
昔を思い出すことで、心に癒しを与えることができるというのです。

心の中の思い出は色あせることはありませんが、その時々で撮影した写真は、どうしても徐々に劣化していきます。

特に、昔の紙焼きの写真は、文字通り、セピア色に焼けてしまいます。

その写真を、思い出の中の色に戻すというサービスを始めたのが、印刷会社の老舗「東京印書館」です。

 東京印書館は、写真集を年間100点ほど手掛けるなど、「写真の色調を合わせる」ことや「モノクロ写真の質感の表現」などの作業に自信を持っている会社でしたが、いつしかその品質を、出版社などのクライアントだけでなく、一般の方にも届けたい、という思いが生まれました。

ちょうどその頃、プリンティングディレクターの高栁昇氏がYouTubeで配信した「古い写真をデジタルリマスターでよみがえらせてみた!」がバズり、それを見た方からの注文が入ったことをきっかけに、「過去の記憶を未来に残す」写真修復の事業を開始しました。

そこには、色調調整のプロ・高栁氏の、長年の矜持もありました。

「印書館なら、これができる」

 開始当初はなかなか受注が伸びませんでしたが、徐々に個人のお客さまをはじめ、行政書士や遺品整理士の方からの依頼が増えてきました。

また、福祉介護の施設などで、入居者の老人の認知症予防や、脳の活性化のために、当時のことを思い出してもらうのに利用したい、という注文もありました。

近しい人を亡くしてしまった時などの喪失感のことを「グリーフ」といい、その気持ちに寄り添い、支えることを「グリーフケア」といいます。

近年では僧侶も学んでいるグリーフケアですが、もう戻ることのできない昔の写真や、亡くなった方が元気な姿で映っている写真に色を取り戻すことは、まさしく「グリーフケア」であり、心の癒しに繋がるのです。

写真には、一枚一枚に物語があります。そこに色が戻ることで、情景や匂い、その時思っていたことなどが、よみがえってきます。

まるで自分が、その場所に戻ったかのように。

 東京印書館の作業現場では、オペレーターひとりひとりが、お客さまの要望に応えるべく、技術の限りを尽くしていました。

色をつけるときに大事なのは、お客さまの当時の記憶ももちろんですが、日付からさかのぼって当日の天気を調べたり、後ろの建物の色なども調査するという、オペレーターの細かな作業もかなり重要なのです。

そこには、色調補正への矜持とともに、お客さまへの「思いやり」がありました。

写真に色を戻すことは、人の思い出に色をつけることと同じです。

モノクロ画像の品質にこだわってきた東京印書館だからこそ、今までの誇りとともに、この仕事に取り組んでいけるのでしょう。

もしあなたが、思い出の昔に、旅立ちたいと思ったなら、写真にこだわり続ける、東京印書館を訪ねてみてはいかがでしょうか。

YouTubeチャンネル 高柳昇
■古い写真をデジタルリマスターでよみがえらせてみた!
https://youtu.be/WrOthlA-Kzs

■60年前の古いモノクロ写真をフルカラーで復元!
https://youtu.be/V6Vgx8ikfkc

■75年前の紙焼きプリントを復元 〜自然な奥行きのあるモノクロ写真へ
https://youtu.be/7wYcM_d8Ppo

株式会社東京印書館
【本社:朝霞台事業所】
〒351-8508
埼玉県朝霞市北原二丁目14番12号
TEL : 048-486-3800

写真修復・加工・デジタルリマスター担当窓口
下中 周介
TEL : 050-3138-2005
特設ページ:https://inshokan-remaster.com/